社会貢献の功績
NPO法人 萌友
宮城県仙台市で市内で路上生活を余儀なくしているホームレスの人々に、ホームレス状態からの脱却、社会復帰を目指す支援をしている。またホームレス問題の啓発・研究を通し地域社会に還元することを目的に活動している。2003年に法人格取得。現在、スタッフ3名とボランティアが夜回りや炊き出しを行うとともに、民間アパートを2棟借り上げ(定員14名)、20代から70代の利用者に宿所提供をするなど、辛い思いをして一人で生きていくことが出来ない人を受け入れながら、仙台市と連携し活動を続けている。
30年前に一人の老人がコインランドリーで夜が更けるのを待つ姿に出会ったことがホームレス支援の始まりでした。杖替りにボロボロのビニール傘を両手に持ちヨロヨロと歩いている姿は衰弱しきった様子、何とかならないかと行政機関に相談しても門前払い。困り果て、当時の勤め先だった病院の医院長に相談し、内科受診をきっかけに施設入所を考えました。ずっと履きっぱなしで肌と一体化した長靴をハサミで切り開き、入浴介助で抱き上げた彼の体重の軽さに心が締め付けられました。彼はアルコール依存治療で入院後施設へ入所となりましたが抗酒剤の服薬を嫌がり脱走、何ヶ月後かにホームレスの状態で亡くなられました。私にとっては失敗した支援となってしまいましたが、彼の支援をする中で様々な事を学ばせて頂きました。その後、夜回りや炊き出しの市民活動を開始、NPO法人を設立しアパートを借り上げ、無料定額宿泊所の運営事業も始めました。
萌友の支援活動は夜回り・食事会のほかに、自立を希望しアパートに入所した方々の生活にかかわる全てのことが含まれます。生活支援は多種多様に絡まり、社会に旅立つ方の支援に相当のハードルの高さを感じながらの日常です。若くしてすべてのご親戚を亡くす、幼いころに施設に預けられた、親からネグレクトを受けた…心の傷を抱えながらも必死に生きてこられた方々。本人は何故この生きづらさを抱えているのかも気づかずに必死に生きてきた現実があります。アパート契約や仕事に就く時に必要な保証人を立てることも困難になります。一旦路上に出たとゆうこと自体、「孤独」との闘いです。このような彼らと共に出会いを大切にし、少しでも今より一歩前に歩き出せるようにお手伝いしております。
初めて体験する授賞式の雰囲気に圧倒されてしまいました。受賞した全53団体の方々の素晴らしい活動・高齢にも係わらず若者をしのぐエネルギーを持って希望を形にしている姿は、私共の明日への励みとなりました。当団体もまだまだ残された山積の課題を克服しながら、希望の年明けを迎えたいと思いました。この度はこのような機会を作っていただき有難うございました。
NPO法人萌友
理事長 芳賀ヒロ子