受賞者紹介

第59回 社会貢献者表彰
ほくりょうかぶしきがいしゃ

北良株式会社

(岩手県)
北良株式会社 代表取締役 笠井 健
代表取締役 笠井 健

岩手県北上市で家庭用・産業用・医療用ガスなどを供給する企業。東日本大震災では数多くの在宅医療患者、医療従事者に無償で酸素ボンベを供給するなど、全社を挙げて命を救うための災害支援活動を行う。その経験を活かし、継続的な防災力向上を目指す20年プロジェクト「医療と防災のヒトづくり×モノづくりプロジェクト」を始動。大規模災害時に酸素や電源、水を継続的に供給するシステムの確立や患者宅の停電や避難先の位置情報を通知する安否確認システムの開発など、最新技術を駆使したユニークな災害対策を進めている。また、これらの技術を活用し、熊本地震、西日本豪雨、千葉や長野、静岡での台風被害など全国の災害現場で被災地の支援に出動している。近年は神経難病の患者や医療的ケア児など重度障害を持つ小児患者と家族の災害対策に重点を置き、自治体と協力して災害弱者を想定した新たな避難所づくりや当事者参加型の災害訓練などを行い、地域全体の防災力向上に取り組んでいる。その他にも医療的ケア児の社会参加の可能性を広げることと認知向上を目的として、視線入力技術を活用した重度障害児のeスポーツの全国大会を開催し、地域を越えて、当事者や家族、支援者の生きがいや関係づくりにも取り組んでいる。

この度は、大変栄誉のある賞を頂き、誠にありがとうございました。また、当社の活動を応援してくださっているパートナー企業の皆様、患者様、医療従事者の皆様にも、心から感謝申し上げます。

当社は岩手県北上市で家庭用・産業用・医療用ガスなどを供給する企業です。東日本大震災では数多くの在宅医療患者、医療従事者に無償で酸素ボンベを供給するなど、全社を挙げて命を救うための災害支援活動を行いました。その経験を活かし、継続的な防災力向上を目指す20年プロジェクト「医療と防災のヒトづくり×モノづくりプロジェクト」を始動させ、大規模災害時に酸素や電源、水を継続的に供給するシステムの確立や患者宅の停電や避難先の位置情報を通知する安否確認システムの開発など、リアルな現場のニーズを一つ一つ捉えて、様々な技術を駆使したユニークな災害対策を進めています。また、これらの技術を活用し、熊本地震、西日本豪雨、千葉や長野、静岡での台風被害など全国の災害現場で被災地の支援に出動しました。

近年は神経難病の患者や医療的ケア児など重度障害を持つ小児患者と家族の災害対策に重点を置き、自治体と協力して災害弱者を想定した新たな避難所づくりや当事者参加型の災害訓練などを行い、地域全体の防災力向上に取り組んでいます。その他にも医療的ケア児の社会参加の可能性を広げることと認知向上を目的として、視線入力技術を活用した重度障害児のeスポーツの全国大会を開催し、地域を越えて、当事者や家族、支援者の生きがいや関係づくりにも取り組んでいるところです。

我々が災害支援を通じて学んだことは、「災害」よりも恐ろしいのは「孤独」であるということです。様々な障害やニーズがあることを知るためにも、そうした方々の存在を知るためには何らかの社会的な繋がりが必要になります。また、様々な人々と繋がることで災害だけでなく日常でも生き甲斐を持って充実した生活を送ることができるからです。

今後も幅広い意見を集め、自社だけでなく地域の医療、福祉、教育、自治体、また民間企業などとも協力し、災害に強い社会を創ることを目標に活動して参ります。この度は誠にありがとうございました。

  • 東日本大震災後、停電した事務所で医療用酸素患者対応を続ける様子。
    東日本大震災後、停電した事務所で医療用酸素患者対応を続ける様子。
  • 東日本大震災で花巻空港で支援活動を行うDMATに酸素ステーションを設置。
    東日本大震災で花巻空港で支援活動を行うDMATに酸素ステーションを設置。
  • 2018年の西日本豪雨で断水した被災地において、WOTA社と共に水循環型シャワーによる入浴環境を構築し衛生面の支援を行う。
    2018年の西日本豪雨で断水した被災地において、WOTA社と共に水循環型シャワーによる入浴環境を構築し衛生面の支援を行う。
  • ガソリンとLPガスの2種類の燃料により、有事の際でも無給油で約3000km走るバイフューエル車で熊本への支援に向かう。
    ガソリンとLPガスの2種類の燃料により、有事の際でも無給油で約3000km走るバイフューエル車で熊本への支援に向かう。
  • コロナ禍で不足した消毒用アルコールを地元酒造会社と協力して製造し岩手県内の医療的ケア児や在宅医療患者に無償で配布。異業種との協力で社会課題を解決。
    コロナ禍で不足した消毒用アルコールを地元酒造会社と協力して製造し岩手県内の医療的ケア児や在宅医療患者に無償で配布。異業種との協力で社会課題を解決。
  • 重い障害を持った子供達が描いた絵をアートコースターとして、平泉町、一関市のふるさと納税の返礼品に。重症児の社会参加を広げる。
    重い障害を持った子供達が描いた絵をアートコースターとして、平泉町、一関市のふるさと納税の返礼品に。重症児の社会参加を広げる。
  • 岩手県矢巾町と包括連携協定を締結し、医療的ケア児を想定した新しい避難所づくりと当事者参加型訓練を行っている。
    岩手県矢巾町と包括連携協定を締結し、医療的ケア児を想定した新しい避難所づくりと当事者参加型訓練を行っている。
  • 肢体不自由でも視線入力装置を使用してできるゲームを開発した島根大学の伊藤史人先生と一緒に重度障害児のeスポーツ全国大会「EyeMoTグランプリ」を毎年開催。
    肢体不自由でも視線入力装置を使用してできるゲームを開発した島根大学の伊藤史人先生と一緒に重度障害児のeスポーツ全国大会「EyeMoTグランプリ」を毎年開催。
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