社会貢献の功績
大山の頂上を保護する会
鳥取県大山町で、大山の自然環境を再生させる取り組みを行っている。大山は昭和40年代に始まった観光ブームで頂上登頂が盛んになるにつれ、高山植物群が踏み付けられて後退を始め、60年ごろには裸地化し、地表は雨や霜、雪にさらされ、土壌侵食が進んで容積およそ290㎥、所要土石量400トンに及ぶ深い浸食溝が形成され危機的な状況になった。これを見てきた地元の人々が昭和59年に官民合同の現地調査を実施して復元への行動を開始し、翌年に「大山の頂上を保護する会」が結成され「一木一石運動」が始まり、植栽事業と浸食溝の埋め戻し事業、登山者への理解と協力を呼びかけ、現在山頂区域のほぼ全面に多種類の植物を復元し、浸食溝の大半を埋め戻すことができた。
国立公園指定80周年を迎えた大山・「大山の頂上を保護する会」の結成30年
記念すべき年の「社会貢献者表彰」受賞に感無量
「霊峰大山」は国立公園に指定されて今年が丁度80年、「大山の頂上を保護する会」を結成して30年の節目の年になります。この記念すべき年に公益財団法人社会貢献支援財団様の名誉ある「社会貢献者表彰」をいただくこととなり、関係者一同感無量で、大変光栄に思っております。
式典の表彰式では、安倍内閣総理大臣夫人の安倍昭恵会長のご挨拶につづき、内館牧子表彰選考委員長により選考の経緯についての説明、第二部祝賀会では、日本財団笹川陽平会長からのご祝辞・乾杯を始めとして、皆様から心に残る温かいお言葉を頂戴し、多くの感動をいただきました。
「大山の頂上を保護する会」は、大山を愛する人たちがみんなの力を結集しあって、特別天然記念物ダイセンキャラボク群落を中心とした大山頂上周辺の自然環境保護と登山道の維持・保全を行うことを目的に掲げ活動しています。
大山は、昭和40年代の登山ブームにより、山頂は裸地化が進み、深い浸食溝ができました。
日本及び鳥取県の宝である大山の山頂を元の姿に復元しようと昭和60年「大山の美化を推進する会」が母体となり、地元の自然保護団体・自治会・山岳団体・行政と官民一体となった「大山の頂上を保護する会」が結成されました。登山者が木の苗や石を一つずつ持って山頂まで運ぶ、官民一体のユニークな「一木一石運動」を実施し、頂上への植栽や、浸食溝の埋め戻しなどの保全事業を行うと同時に、頂上の植生復元の調査・研究も行っています。
大山を愛する多くの人々のご理解とご協力により、現在では、緑美しい山頂をほぼ復元できました。
私たちは先人から受け継いだ大山の豊かな自然と恩恵に感謝しながら、この素晴らしい山「大山」を安らぎと癒しの場として今後も守り、後世に継承することを目的に、さらなる活動を展開してまいります。
最後になりましたが、「社会貢献者表彰」に相応しい活動を今後も継続し、次の世代に引き継ぐ決意であります。四名もご招待いただき、社会貢献支援財団の皆様には大変お世話になりました。心より御礼と感謝を申し上げます。
副会長 松岡 嘉之