NPO法人 熊本どんぐり
学ぶ・働く女性が輝く社会の整備が整う一方で取り残されている女性たちのために、女性の支援に特化した活動を、2019年から熊本市で行っている。2013年に開設された前身の団体は男性を主とした自立準備ホームを運営しており、手伝いをしていた松永佳子さんは女性の支援もしたいと考えていた。松永さんの本業はエステサロンの経営だったが、客と施設に来る人の生活の落差と、施設の女性へのサポートがまったく足りてないことに心を痛めていた。エステ経営は私でなくてもやる人は沢山いるが、この施設の運営に手をあげる人はいないと考えた松永さんは、前代表が高齢で引退するのを機に女性支援に特化することとし活動を引き継ぐ事にした。松永さんが代表に就任後、DVの被害者や、刑務所の出所者、貧困のため生活が立ち行かない人といった社会から孤立した女性たちに寄り添い、女性サポートシェルターGrowth、グループホームミモザの木、縁側CAFE LUPINUS(ルピナス)の運営等を行っている。また、自立した女性のその後の生活に寄り添って、社会に馴染めるように併走することを忘れない。
この度は栄えある社会貢献者表彰を受賞させていただき誠に有難うございました。
スポットライトのきらめきとは対極にある日々の活動に光を当てていただけたことで今まで悩みながら歩んできた日々が報われたような気持ちでした。また、授賞式では全国各地で社会貢献者の方々が様々な分野で活躍されていることを知り、とても心強く感じ、感銘を受けました。
素晴らしい出会いと機会の場を与えていただいた貴財団と財団関係者の皆様に感謝致します。
当法人は様々な困難を抱えた女性とその子ども達が安全な居場所を持ちながら、地域で安心して暮らせるよう包括的なサポートを行っています。2022年度は15名のご入居があり、41名のご相談に応対しました。
刑務所を出所した女性や裁判で実刑にならなかったものの地域で暮らすには支援を必要とする女性の場合は自立準備ホーム、知的・精神疾患などの障がいがある女性の場合は共同生活援助(グループホーム)、DV・虐待被害や生活困窮等で住まいのない女性の場合は民間シェルターでそれぞれ支援を行っています。
支援の内容は、転入手続き、生活保護や住基ロック、障がい者手帳・障害年金等の申請同行、受診予約と同行、物件内覧同行と引っ越しの手伝い、法テラスやハローワークへのつなぎや同行支援、各種関係機関との連絡調整など多岐に渡り、ひとりひとりのニーズと能力に合わせて地域で暮らすための準備を一緒に行います。
また、日中の居場所としてダンスやハンドメイドなどのワークショップ、よろず相談を実施することで退所後も伴走的にサポートを行っていますが、中には連絡が途絶えてしまう方も多くその後再犯したと連絡が来ることもあり、つながり続けることは課題のひとつです。
今後は、様々な困難を抱えた女性たちの得意なことや興味のあることを活かしながら働ける場を提供することで、安全な環境の中で自立に向けた生活ができるよう自立支援事業を充実させていきたいと考えています。
資金面や人材など課題は山積していますが、実現に向け一歩ずつ歩みを進めたいと思います。
今後とも、ご支援、ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。