社会貢献の功績
住田 佳子
東京都で平成2年から27年間にわたり保護司として活動している。担当して更生させ、世に送り出した人は少なくとも40件以上で、保護観察処分を受けて更生した人の結婚式に招かれた経験もある。また地元の西東京市で、近隣の住民と知り合うことで互いに助け合い子どもや高齢者を見守りが自然に生まれるような住みやすい楽しい街づくりをしようと「ひだまり谷戸」を平成14年に発足させ代表世話人を務めている。自分たちの地域を知る活動や「ひだまり喫茶」、絵手紙教室や歌声教室、子ども対象の「谷戸まつり」などを開催し、地域住民の連帯感高めている他、都の「こころの東京革命推進事業」が開催する「こころの東京塾」でチーフアドバイザーとして子どもの健全育成にも尽力している。
保護司とは国の法務大臣から委嘱された無給のボランティアです。主な仕事は「犯罪をおかした者及び非行のある少年の改善更生を助けること」と定められています。
私は地域の中で小・中学校のPTA会長やガールスカウトのリーダーをしていたことから、市内の保護司会の役員の方から保護司になりませんかと声をかけていただきました。
当時は子どもが義務教育中であり、お断りをしました。数年後再びお話があり、夫や家族の了解も得られ、平成2年2月1日に法務大臣より正式に保護司を拝命いたしました。ですから早いもので27年間活動していることになります。
仕事は月2回以上本人を自宅に呼び生活状況を聴くことです。又数か月に一度は本人宅へ行き、本人の家族との面談をしなくてはいけません。私は保護司としてより、母親代わりとして相談にのり、助言をし、多くは食事を提供して話すので、全く指導という形で面接をしたことはありません。いつでも気軽におしゃべりをしに来られる場を提供していたのです。又保護司を通じて、他人の子どもでも叱ったり、褒めたりできる地域の力の必要を実感し、地域の小学校を中心とした生活圏の方々と小学校の家庭科教室をお借りして月1回喫茶室をオープンしました。それが「ひだまり谷戸」の「ひだまり喫茶」です。
老若男女の人たちが集い、楽しみ、学習し、おしゃべりをして、地域が繋がっていきました。又同じ釜の飯を食うというように「食べる」という行為は人と人との距離を縮めます。年に一度ですが一人暮らしの高齢者を招待して、小学生たちとテーブルを囲み、歌を唄い、ゲームをして、寂しいひとりの味気ない食事を楽しい会話をしながらの食事として楽しんでもらっています。この「食べる」という行為が保護司の中でも大きな役割を果たしました。
私の作る粗末な食事を犯罪者や非行少年たちは大変喜び、保護司の私の下へ約束通りに来訪し、保護観察がスムーズにいった例が多々ありました。保護観察終了後も年に数回来ては、私の手料理を食べ、近況報告をしてくれる人が何人かいます。
当時少年だった人が子どもを連れてきたりすると、我年齢を自覚させられますがとても嬉しく、自分が今までやってきた事が無駄ではなかったと思える瞬間です。
格言「未来を拓く人づくり」を実感しています。
あと一年余りで保護司も卒業です。その前にこのような立派な賞をいただき、ありがとうございます。
最後に私がここまでやって来られた影の功労者の夫や子どもたちにも心から感謝いたします。ありがとう。