受賞者紹介

第47回 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

えぬぴーおーほうじん わんふぁみりーせんだい

NPO法人 ワンファミリー仙台

(宮城県)
NPO法人 ワンファミリー仙台 住居支援課長 新沼 鉄也
住居支援課長 新沼 鉄也

宮城県仙台市を拠点に「世界は一つの家族(ワンファミリー)」という理念の下、2002年から地域で生活する路上生活者をはじめ身寄りのない生活困窮者たちを支援しようと①グリーンボランティア530活動②住居支援事業③無料職業紹介事業④農林水産研修・農産物販売事業⑤更正を支援する事業⑥情報提供事⑦生活相談事業⑧食料提供事業⑨飲食事業⑩震災復興支援活動を行っている。グリーンボランティア活動は、毎週水曜日の朝に仙台駅から七夕まつりが開催されるアーケイドを通り、市役所にかけて、生活困窮者が路上清掃を行い、それに対して200円と朝食を提供している。清掃活動は通算700回を超え、これまでに延べ22,700人が参加した。

ゴミ拾い活動
ゴミ拾い活動

ワンファミリー仙台の活動について

ワンファミリー仙台の活動は、今も続いている530活動から始まりました。530活動とはゴミ拾い活動の事で、仙台市に起居するホームレスの方たちと一緒に仙台市中心部のゴミ拾いを行い、その労働に対しワンファミリー仙台から食糧と現金200円を支給するという活動の事です。毎週水曜日の朝7時に仙台駅前に集合して、中心街を通って市役所前広場で物品支給等を行い解散します。このような活動も既に700回を超えています。

私たちワンファミリー仙台は、たとえホームレスであっても社会の一員と認め、本当に困っている場合を除き、施しという行為はせず労働に対する対価という形で支援しています。現在の支援対象は、ホームレスを含む生活困窮者という事になります。ホームレスの方たちに聞くと、やはりホームレスになる直前が一番苦しかったとの事。社会の変化に伴い、ホームレス自体の数は減ってきても、ホームレス直前の苦しみを味わっている方が増えて来ています。私たちのような支援団体には、地に足を付けた支援が求められますが、社会情勢に柔軟に対応する機敏さも求められていると思います。

社会はめまぐるしく変化し、どの制度にも当てはまらない人が増えて来て、法の隙間からこぼれ落ちて来ています。このような方たちを受け止める為、シェルターや無料低額宿泊所を運営していますが、この施設の利用者もホームレス経験者は少なくなって来ており、社会の変化を感じているところです。

この度、社会に貢献する団体としてワンファミリー仙台は表彰されました。どの団体も同じだと思いますが、社会に貢献しようと思って活動しているのではなく、人として当たり前の事を当たり前にしている、という思いで活動しています。結果として社会貢献になっており表彰される事に複雑な思いを感じていましたが、人知れず個人的に活動している方たちもたくさんおられ、そのような個人や団体が注目される事は大変すばらしい事だと思っています。一個人一団体のみでは社会の変化に対応するのは難しく、今後はいかに横の連携をしていくかが課題となってくると思います。

当日の表彰式は大変豪華なもので、その場にいる事が場違いな気分にさえなりました。しかし、全国の同じ思いで頑張っている方たちと交流できたことで有意義な時間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。

住居支援課課長 新沼 鉄也

  • シェルター事業
    シェルター事業
  • 芋煮会(炊き出し)
    芋煮会(炊き出し)
  • サロン活動の様子
    サロン活動の様子
  • 畑作りの様子
    畑作りの様子
  • 手作り足置き台の贈呈
    手作り足置き台の贈呈
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」