フグ田 サザエ
フグ田サザエさんは、漫画家の長谷川町子さんによる4コマ漫画「サザエさん」の主人公。「サザエさん」は終戦翌年の1946年に福岡の地方新聞で連載が始まり、その後1951年から1974年まで28年間朝日新聞の朝刊に掲載された。また1969年から、フジテレビ系でテレビアニメ「サザエさん」として放送が開始され、50年以上のロングランを更新中。「サザエさん」一家の笑いあふれたほのぼのとした日常が描かれ、現代社会が核家族化の進展により失ってしまった日本の家族の原型や、礼儀や思いやりなどの模範的な古き良き日本人の心の原風景が、そのまま作品に投影されており、半世紀以上に渡り"国民的な人気番組"として多くの世代の人たちに影響を与えてきた。「サザエさん」の登場人物たちは海の生き物や海産物にちなんだ名前を持ち、海と関わりがあることから、2022年に日本財団と産官民による取り組み「海と日本プロジェクト」の特別推進パートナーに就任。テレビアニメのオープニングで「海をきれいに!」との呼びかけとともに、日本各地の海に縁のある場所や行事を紹介した。片瀬東浜海水浴場ではゴミ拾いも行うなど、海洋間題について考える機会の創出を精力的に行っている。
この度は、第59回社会貢献者特別賞としてサザエさんを表彰していただき、心より感謝申し上げます。サザエさんは、長谷川町子が福岡の百道浜で構想した漫画で、登場人物はサザエさんをはじめ、全て海に関連した名前がついています。
そんなサザエさんは、日本財団さんが掲げている「海と日本プロジェクト」の特別推進パートナーとして、昨年から様々な場面で活動を共にさせていただいております。サザエさんも一緒に参加させていただくことで、海が抱えている様々な問題を、もっと身近なものとして感じていただけるようになればと思います。海の無い場所に住んでいても、山に降る雨や、河川や小川、そうしたものが、海へと続いてゆくことを、みんなで一緒に感じていけるようなイベントを企画していただければと願っております。なによりもサザエさんといっしょに楽しみながら学べる機会が増えるといいですね。日々の生活を描いた漫画であるサザエさんが、海をきれいにする活動の先頭に立つことで、誰もが参加できるゴミ拾いなどの身近な活動を、全国に普及できればと考えています。
一般財団法人長谷川町子美術館館長 川口 淳二