一般社団法人 在留外国人支援協会
「やったーの連鎖を」をモットーに日本で暮らす外国人と日本人がよりよく共存できる社会を目指して通訳業務 ・在留外国人技能実習生支援を行う団体。10年前、主婦だった代表のスン陽子さんは、就職した縫製工場で劣悪な環境で働く、中国人やカンボジア人の技能実習生に出会った。低賃金で、外出するのも許されず、シャッターの閉まったガレージで作業をさせられていた。「奴隷以下の家畜だと思え」と、雇用主の悪質極まりない彼らへの扱いにショックを受けた陽子さんは、少しでも彼らの役に立ちたいとクメール語をゼロから学び、身の回りのお世話をするようになった。そういった経験から、夫のスンさんとともに、24時間365日の通訳・翻訳の業務を行うが、これまで延べ15,000人の外国人労働者の通訳を担当。違法な労働が見られた場合は関係機関との連携も行う。レベルの高いスン夫妻の通訳は評判を呼び、地方検察庁、警察や消防、医療センター、法テラス、企業、JICAなどさまざまな団体から声がかかる。そこで得た収入で、在留外国人の生活相談(年500件)、日本語学習・資格取得支援、一時保護支援をするほか、スポーツ大会やBBQ大会なども開催。今後はカンボジア・シュムリアップに購入した2,000坪の土地を、日本で支援したカンボジア人が、帰国後起業できる場所として、またカンボジアに住む日本人の駆け込み寺として居場所を作りたいと考えている。
この度は、このような栄誉ある賞を受賞させていただきましてありがとうございます。
当協会の本業は通訳翻訳業なのですが、そこから一歩踏み込み、在留外国人の方々に寄り添いながら必要とされる生活の支援ができるよう取り組んでいます。
私がこの活動を始めたきっかけは、10年ほど前にハローワークでみつけた「外国人の方と楽しく働ける職場です」という求人内容を見て応募した職場が正に技能実習生さんたちの強制労働の現場だったことでした。日本が大嫌いになって帰っていく姿は、日本人として悲しみ深いものでした。日々の相談事を受けているうちに在留外国人の方々からの需要が高まり、このような活動団体となりました。それから時代と共に実習生さんたちの相談内容も変化してきてまして、現在はキャリアアップの支援に力をいれております。在留外国人キャリアアップ大学プロジェクトとして毎週日曜、無料にて日本語、特定技能試験の勉強会を開講しております。これまでに取り組んだ活動をいくつか紹介させていただきます。
◯在留外国人スキルアップ大学の開講
岐阜県清流の国ぎふ推進補助金を受けて開催。専門家をお迎えして公衆衛生や人格形成など日本で生活やビジネスを行う上で必須となる知識を得るための講座を企画、運営いたしました。また、今後のビジネスシーンで必須とも言えるオンラインミーティングをZoomで行うための講座も開講しました。
◯在留外国人キャリアアップ大学の開講
JICA中部の共催を受けて開催。技能実習生を対象にパソコンの基本操作とMicrosoft Wordを用いた履歴書作成講座を開催いたしました。多くの参加者が初めてパソコンに触れる初心者でしたが、最後には自分の名前などをパソコンで入力して履歴書を作成できるようになりました。
◯カンボジアアンテナショップのオープンと日本語、特定技能試験対策無料勉強会の開催
岐阜駅すぐ近くの場所にカンボジアなど東南アジアの輸入食材・雑貨を扱うアンテナショップをオープンいたしました。単に食材や雑貨を販売するだけではなく、日本人とカンボジア人との交流の場としても活用しています。また、この場所で日本語と特定技能試験対策の勉強会を毎週日曜日に開催しています。
上記のような活動と本人の努力が身を結び、日本語能力試験N4や特定技能試験に合格し、より良い環境へ転職した実習生も出てまいりました。日本へ来てスキル・キャリアアップを叶え、日本に来て良かったと思ってもらえる在留外国人を増やすべく、今後も草の根活動に邁進していく所存です。