社会貢献の功績
笹原 留似子
岩手県北上市で納棺や復元納棺の会社を経営している。東日本大震災の後、岩手県北上市から岩手県沿岸被災地に入り、約4ヶ月の間に300人以上の損傷や腐敗の著しい遺体の顔を元に戻すボランティア活動を行った。損傷が激しい遺体のおもかげを探すため目や口の中に手を入れ、4時間程かけて復元した遺体もあったという。笹原氏は復元した人たちを思い出して描いた似顔絵と共に震災を伝える活動も行っている。そのような中で出会った子どもたちの話を聞き、心を和らげる場をつくろうと山口市で社会福祉法人「夢のみずうみ村」を経営する藤原茂氏らとともに大槌町に「子ども夢ハウスおおつち」を平成25年に設置し、家族を失った子どもたちの悲しみに寄り添い、自立支援のための活動をしている。
この度は大変名誉ある賞をいただきましたこと、お知らせをいただいた時には驚きと同時に「死」という存在の中にある震災で亡くなられた方の人生に、温かい光を当てていただきましたことを感じました。心より、感謝を申し上げます。
東日本大震災では、振り返れば本当にたくさんの苦労もありました。いざ行動に移した時に、「復元」と言っても全く伝わらない現実もありました。一人の方を復元して評価をしていただいて、そこからご縁がつながっていく安置所も多くありました。夢中で目の前の復元に向き合わせていただいて、気が付いた時には「復元ボランティア」と呼ばれていました。
支えてくださる方々、つなげてくださる方々、声を掛けてくださる方々に力をいただきました。ご遺族の皆さんが動き出して、つなぎ、支えてくださる時期に入ったとき、胸が熱くなったことを想い出します。
混乱の中、出来ないことに嘆いた時期から出来ることを見付けようと声を掛け合った、皆さんと励まし合って過ごした大切な過去の時間を宝物に変えて、現在はご遺族の立場の子どもたちを支え、嘆きを生きる力に変え、復元ボランティアから継続して震災支援の活動を続けています。この活動も、多くの皆さまから支えていただいて、続けることが出来ています。
これからも皆さんと手を取り合って、よく泣き、よく笑い、よく食べ、よく眠り、よく語り合い、人に備わった大切な感情を育み、精進して生きていきたいと思います。
この度は、本当にありがとうございました。
貴団体の益々の発展をご祈念申し上げ、挨拶に代えさせていただきます。