社会貢献の功績
鈴木 剛生
東京都台東区で柔道整復師として接骨院を経営する傍ら、平成14年から近隣の小学生から高校生に無償で格闘技を教えてきた。そこでは学校で教師に暴力を振るうような問題児や不登校児、いじめの被害者にも門を開き、区内の学校の生徒指導にも協力を続けてきた。道場生の中には隅田川でホームレス生活をしていた中学1年生もいたが、その子の父親代わりとなって定時制高校卒業まで援助したこともある。200名以上の子どもに格闘技を教え、その内10名のプロ選手を育てた。格闘技を通じて感謝する心や自分が愛されている事を教え、間違った方向へ行きそうな子どもたちに生きる目標を与えてきた。現在道場は教え子たちが引き継いで活動を継続している。
今回は、この様な名誉ある賞を頂き、光栄に思います。この良き機会に道場支援者、関係者の方々に心から御礼を申し上げます。
受賞に際して、私の格闘技指導を振り返りたいと思います。10数年前になりますが、偶然に治療を通して知り合った中学生に「先生、格闘技を教えて」と言われたのが、はじまりです。その子どもがきっかけになり、近所の子ども達が集まり始めたのです。当初、私の経営する接骨院の診察時間が終わると、小学生、中学生が集まり、ベッドを片付け、簡易のレスリングマットを敷いて、練習を始めていました。
私は、柔道とプロレスリングを経験していましたから、その経験を活かして、打撃技と寝技の指導していました。当時は、本格的なプロ選手を作るような気持ちもなく、近所の子どもに格闘技を教えている内に、区内で有名な不良少年も私に格闘技を習いにやってきました。また、学校でいじめにあっている子どもや不登校児などもやってきました。その様な活動をする内に、「プロ選手になりたい」と申し出る道場生も幾人か出てきました。その頃には、参加者の人数も増え、区の廃校になった校舎を一時使用させて頂き、本格的に練習するようになりました。現在は、学校が使用できなくなった為、道場を支援して下さる篤志家の方から、援助して頂き、道場を運営しています。また、現在は、私が、身体を壊してしまったため、現在、プロ格闘技の選手が中心になり、道場の運営を行っています。
現在の私は、思うように自分の身体を動かすことができません。しかし、必ず、身体を元に戻し、元気に下町の子どもと遊びたいと思います。子どもは、遊んであげれば、純粋な笑顔になります。問題行動をおこしてしまう子どもこそ、大人の愛情が必要です。一緒に笑ったり、泣いたりしている内に、子どもは、自分の本当の良さを見せてくれるものだと思っています。今は、弟子がその心を受け継ぎ、また、色んな子どもと遊ぶことのできる大人になって欲しいと願います。
最後になりましたが、社会貢献支援財団に表彰された人々の様な方が日本にたくさん増えることお祈りし、感謝の言葉とさせて頂きます。
鈴木剛生