社会貢献の功績
竹内 健二
昭和42年頃、会社に勤務の傍ら浜松市で最初の点字グループ「浜松六点会」に入会、平成15年退職後は点字点訳に専念し、約40年にわたり点訳奉仕を続けている。「コツは無理をしないこと。」とこれまでに2,500冊以上を県立点字図書館に寄贈している。また障害者は、旅をする機会が少ないので、旅の気分を味わって貰おうと旅行誌「旅の手帖」を点訳し喜ばれている。
てんじくんとけんじくん
赤とんぼ じっとしたまま 明日どうする(風天‐ 渥美清)
私は点訳グループ「浜松六点会」に所属しています。この度の社会貢献者表彰の受賞は、会を代表してという事で、皆喜んでいます。ひとりでは40余年とうてい、ここまで継続してこられる筈はありません。周りの皆さんが支えて下さったおかげです。感謝!
私が点訳を始めたきっかけは、20歳になった時です。何でも見てやろう、やってやろうと意気込んでいました。その頃、市の広報で「点字活動養成講座」募集の文字に興味が湧き、応募しました。受講者は43人と大盛況。
浜松は日本六点字式点字の創始者、石川倉次氏の生まれた所でもあり、点字に熱心です。点字は10回程度の講習で基本はマスター出来ますが、なにせ日本語は微妙な言い回しや、漢字を組み合わせれば新しい語が生まれるし、カタカナ、アルファベットもあって、どうやって点訳していいのか、今もって悩んでいます。
現在、実際に点訳しているのは、浜松六点会で6名、精鋭部隊(!)です。月刊誌「旅の手帖」を分担して点訳・校正・製本し、毎月4冊程、静岡県点字図書館に送っています。
平成23年8月17日の毎日新聞によると、「06年の厚生労働省の調査(無作為抽出)では、視覚障害者379人のうち点字が読める人は48人(12.7%)だけで、読めない人は268人(70.7%)だった」となっています。視覚障害者の多数の方が、録音して耳で聞く音訳で本を読んでいます。
たとえ点字を読む人が少なくなろうとも、必要としている人がいるのであれば、これからもコツコツ点訳していきたいと思っています。「点字」と私の名前の「健二」、声に出して読んでみるとよく似ています。今までうかつにも気づきませんでしたが、やっぱり"縁"があるのかなあ。