認定NPO法人 麦の会
30年以上にわたって、宮城県東仙台で「安心安全な材料でパンとクッキーを作る」「障がいのある人もない人も共に働ける場所」の2つを柱に、パンとクッキーの店「コッペ」を運営している認定NPO法人。障がいのある人が差別されやすい社会は、能力や効率を優先される社会。そうではない生き方を見直し、町のパン屋さん「コッペ」が1988年に誕生、障がいのある人もない人も同じ職場の仲間として働いている。材料へのこだわりを徹底し、東北産小麦や無添加の材料を使って、週3日販売される手作りの焼き立てパンはお店の看板商品。20種類近く製造されるクッキーには、安心・安全な原材料はもちろんのこと、フェアトレードの材料を使用し、社会的課題の解決に貢献している商品もあり、大学生協をはじめ、イベント販売でも売り上げは上々。長年に渡る活動で「コッペ」で働く障がいのあるスタッフの姿は当たり前の風景として地域に溶け込み「コッペ」は住民から愛される町のパン屋さんとして親しまれている。
この度はこのような賞をいただき本当にありがとうございました。当日は30年以上一緒に働いているメンバーも一緒に参加させていただきました。普段は余裕もなく活動していますが、ゆったりとした時間を過ごすことができました。他の受賞者の方とも交流ができ、有意義なひと時だったと感謝しています。
麦の会は、障害のある人もない人も共に生き、共に働くことができる社会の実現を目指しています。具体的には、共に働く場「コッペ」の運営を行っています。
コッペは創業1988年12月。障害のある人のための施設を作るのではなく、障害のある人と一緒に働いている地域の中のお店としてできました。国産の小麦を使用しできるだけ安心な材料で、パンとクッキーを作っています。
しっかりとした売り上げを確保し、障害のある人に少しでも多く給料を支払いたいと思っています。その実践を通じ、障害のある人も地域の中で共に生き、労働する権利を確立することを社会に訴えています。
開設から35年が経過し、利用されている方たちの高齢化が目立ち始めました。皆が安心して地域で働き続けるためにはより一層の地域の理解と協力が必要になります。そのため障害のある人もない人も地域と共に活動する場所づくりとして、地域コミュニティーカフェを現在活動している同じ松岡町内に2024年4月に開設しようと考えています。
これまでも松岡町福の市、ワークショップ、健康レクリエーションを開催して参りましたが、新たにカフェと福祉事業所のアンテナショップ、障害者が働く事業所、駄菓子屋、子育て中の親が利用しやすいように子どもが遊べるスペース、車椅子でも利用ができるトイレを設けます。
また、月に1、2回を目安に子ども食堂を開催しますが、子どもに限らず誰でも来られる場所、悩みを相談できる場所、話し相手がいる場所として「孤立しない、させない」ように地域がみんなで支えあえる共生社会実現の一助になるように活動していこうと考えています。
まだまだ課題は山積ですが多くの人の支えを受けながらこれからも活動したいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。