社会貢献の功績
NPO法人 六星 ウイズ
平成8年に浜松市半田町に視覚障害者中心の小規模授産所を開設。平成18年には市内の蜆塚(しじみづか)にも開設。現在両作業所合わせて48人の利用者と職員11人が作業に励んでいる。白杖の開発製造と点字印刷の作業を通し、視覚障害者の生活の質の向上や自立を促進してきた。また中途視覚障害者の社会復帰や盲重復障害者の社会参加を支援するとともに平成15年には、スリランカに支所を開設するなど、活動を広げている。
WITH・みんなで一緒に
今回の受賞は、開設以来、毎日白い杖一本でまたは盲導犬と共に、電車・バスに乗り命賭けで通う仲間達そして彼等を見守り、作業を支え、現場で共に汗を流す職場へのご褒美と感謝致します。また全国の約500人ものウイズを支える会の皆さん、県内外で同じ志を持ち障害者作業所を運営する仲間達へのエールでもあります。私達は胸を張り「ありがとう!」と言います。そして明日からまた歩き続けます。
1996年、小規模授産所ウイズが浜松市郊外に誕生しました。当時大規模施設に入れない障害のある人達の仕事の場、居場所としての小規模作業所が全国に4,000ヶ所ありました。その殆どが国の支援(給付)の無い無認可施設で「小さくて貧乏」が旗印でした。4,000ヶ所の中に視覚障害者を対象とする作業所はありませんでした。重い障害に関る人達も、「視覚障害者は生産活動はできない!」と決め付けていたのです。
また、視障者の生活環境にはいくつもの難問がありました。障害者の高齢化とその親の高齢化、中途失明者の急増、盲重複障害者の増加と重度化、そして盲学校後の受け入れ施設の希少さ、視障者の就労問題等々。そして世界的な「施設福祉から地域福祉へ」の大きな流れ。私達の浜松での小さな一歩が各地に広がり、全国の視障者に生産の喜びと安心の居場所が増えるきっかけになることを期待し、あえて前例のない苦しい活動をスタートしたのです。「仕事をしたい思いと工夫と練習、そして少しの手伝いがあれば皆仕事ができ、社会参加、貢献できる!」の強い意志で小さなウイズは前進しています。
この考え方が海外の障害者支援をする団体から認められ、開所前から、アジア・太平洋・アフリカからの視覚障者の留学生を受け入れ、ウイズの理念を伝えてきました。'03年には、スリランカの盲学校の要請を受けウイズブランチを現地に建設。'07年には、ミャンマーへ白杖づくりの技術と白杖歩行の指導法伝授に行き、高い評価を受けています。
ウイズの活動が少しづつ各地に伝わり、沼津市、豊橋市、鹿児島市などでも、視覚障害者の小さな作業所ができ活発な活動を展開、'10年には浜松市の住宅街に第2ウイズを開設、中途視障者と高齢の視障者の作業所として、また視覚障害リハビリテーションの拠点として新しい福祉を作る牽引役となっています。今回の受賞を機に初心を忘れず、地道な活動を続け、視覚障害者のあらゆる人生のステージに対応する福祉を充実させると共に、地域福祉の核となり活動を広める決意です。
感謝