社会貢献の功績
笹島診療所
昭和60年名古屋市に、失業し病気で困窮している高齢者や日雇労働者などを支援していた人たちが、医療支援の強化をするために設立し、26年にわたり活動している。炊き出し会場での医療・生活相談活動のほか、ボランティア医師・歯科医師とともに無料診察と生活健康相談や生活保護申請の同行支援などのホームレスの支援活動を行っている。また、ホームレス問題に対する市民の理解と協力を図るためセミナーやホームページを通じて啓蒙活動も行っている。
1985年、失業や病気で困っている高齢者、日雇労働者などを支援していた者が、医療面からの支援を強化するために笹島診療所を設立しました。現在は、野宿者(ホームレス)に対して生活保護制度が適切に運用されるよう、要求する運動も行っています。炊き出し会場での相談活動、事務所での相談活動、福祉事務所での生活保護申請同行などの活動を通じて、『野宿者の人権を守りつつ、野宿をしなくてもすむ状況を作っていくこと』を目指して活動に取り組んできました。特に政治的なバックはなく、全国の心ある人々の支援とボランティアによって診療所活動は支えられてきました。
当団体は、笹島労働者会館に入居する笹島日雇い労働者組合とともに機関紙を発行し、合同で全国の有志からカンパを募っています。近年、リーマンショックを端に始まった現在の不況の中、セーフティーネットからあふれ野宿生活を余儀なくされている方々を支える、笹島診療所は貧困社会日本に大きな社会貢献をしていると考えます。
特に(1)反貧困ネットワークへの参画:全国各地の諸団体による、野宿者排除や生活保護制度改悪などの動きに対する反対運動に賛同するなどの取り組みを行いました。(2)居宅生活に移行した人へのフォローの充実:支援して新規入居者ができた当事者を対象としたアパート訪問の取り組みを行うこと、「居宅生活の手引き」の作成作業を進めています。(3)行政との協力関係の構築:メンバーが福祉事務所職員の自主的な学習会に呼ばれて講演を行うことができた。福祉事務所でのカウンター越しの対立を越え、一定の緊張関係は保ちつつも時には協力関係を取り結ぶことができるような取り組みができたるようになってきました。
今回、この社会貢献者表彰を受賞することで、更に多くの方々に私たちの活動を知っていただき、皆で支えあい住みやすい社会になれるよう、今後も活動を続けていきます。
- 炊き出し時生活・医療相談
毎週木曜日に、矢場町ゲートボール場で生活・医療相談を行った。年間の相談者数は計417名(うち医療相談が342名、生活相談が92名)だった。 - 福祉行動
生活保障支援の会・名古屋が連日行っている中村福祉事務所での支援活動に診療所メンバーも入り組む形で実施した。中村福祉事務所における住居のない人からの相談者数は一日平均で毎月50名を下回り、2011年3月は29.5名であった。 - 日曜無料診察&生活・健康相談
原則として第4日曜日の午前に、市内の公園等に出かけて診察・相談活動を行った。2010年度は11回実施した。医師在の時には医師に電話連絡をとり、薬を処方する遠隔医療体制をとることもあった。 - アパート生活者支援
食事会・交流会の開催を毎月、ニュース「オリーブ」の発行を隔月、あゆみの会へのオブザーバー参加を月に1回行った。毎回10〜15名程度の参加があった。 - 年末年始活動
12月23日に越冬事前セミナーを行い、多くの参加を得た。12/28〜1/3の間、越冬実行委員会生活健康班としてオケラ公園での集中的な取り組みに参加をした。7日間の相談活動において延べ相談者数は82名であった。昨年と異なり、最終日(1月3日)の夜も相談活動を行った。