社会貢献の功績
京都中国料理厨師会 琢磨会
京都市内の中国料理調理師の有志20名により、会員相互の親睦と、調理師の社会的地位の向上と福祉活動を目的に昭和57年に設立。京都を中心に全国21府県の老人施設や児童養護施設で中国料理を提供する調理奉仕活動を実施。年30回から40回の奉仕活動を29年間継続して実施し、平成23年7月現在、通算982回を数える。
「美味しいね、ありがとう。」の言葉と笑顔に感謝して!
1982年に調理師仲間と会を作ることになり、「ただの親睦の飲み会だけではダメだ。何か社会に役立つことをしよう」ということになり、そこで自分達の持てる技術を活かして、調理奉仕をすることになりました。
第1回目は、6月22日に亀岡市の児童養護施設で行うことになり、受ける方も調理する方も初めてで、戸惑うこともありましたが、帰り際に子供達から「美味しかったよ、又来て作ってほしい。」と笑顔で、玄関先までみんなで送って頂いたことが、今迄続けられた要員の一つだと思います。
子供達は皆平等との思いから、他の施設でも中華料理を味わってもらいたいと思うようになり、定期的に京都市内・府下十一ヵ所、滋賀県一ヵ所、神戸市一ヵ所、姫路市一ヵ所の児童養護施設と老人ホーム一ヵ所、二ヵ所の視覚障害者施設など、場所を変え、料理・味付けも変えながら年間約40回近く活動し、あれから29年間一度の中断もなく、今年9月21日で985回目を無事終えることが出来ました。心より有り難く感謝しております。
最初の頃は、材料を積み忘れ、慌てて取りに帰り、食事時間ぎりぎりになったことや、献立が変更になったことなど、また中華鍋・包丁等を忘れ、施設の器具で調理したことも今となっては良い思い出になっています。
阪神淡路大震災の時は、芦屋の避難所を始めに、神戸の児童養護施設へ毎月延べ十カ所に中華料理のフルコースをプレゼントに出かけました。朝早く材料とコンロや器具も積み込み、毎月復興工事で通行止めの道路を迂回して、料理を作り京都に帰るときがしばしば深夜になることもありましたが、子供達の笑顔で疲れることはありませんでした。今年三月の東日本大震災では、私達の活動で未だ子供達の笑顔を見ることは出来ていません。
又、十六年前から三月に京都府・市、滋賀県の児童養護施設児を対象として「中学卒業を祝い、中国料理を楽しむ会」に招待し、コース料理をお祝いしています。
宮沢賢治の言葉に「世界全体が幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」とあります。この言葉を大切に今迄の調理奉仕活動を継続し、二十一府県まで活動できた全国の児童養護施設(特に東北地方)の子供達に、少しでも多く中国料理をプレゼント出来ればと思っています。
この度の社会貢献者表彰授賞に浴し、ご縁の有りました皆々様に心より感謝申し上げ、息子と仲間で中国料理の調理奉仕活動を続け、多くの人々の幸せを自分達の喜びと出来ますように、素晴らしい出会いを求め、一層の努力を積み重ねて行きたく思っております。