社会貢献の功績
山崎 一誠
荒れ放題になっている山林を見かねて、平成元年頃から植林と整備に取り組まれ、島根県三瓶山の西10キロ地点で合わせて10haの山を購入し、1万3千本もの杉や檜を植林し枝打ち、草刈りなどの重労働をしながら山の環境保全を20年にわたり続けられている。
昭和の末ごろから松枯れが進行し、木材価格の低迷で山林地主は意欲を失い、後継者は都会に出て廃屋が多くなっている。代替りして境界もわからなくなっているのが現状である。
自然のままで竹山、つた山になり林道がくずれたり木が倒れたり荒れ放題になっている現状を見るにつけ強く整備と植林を決意した。
平成元年頃、島根県三瓶山の西10kmに舗装市道から700m林道を入った10haの山地を求め、まず手始めに4haの山に植林をはじめた。
一口に植林といっても、まず30年ぐらいの雑木を切り倒しそれを移動、整理して植える場所をつくり2m間隔に竹でしるしをつける。傾斜があり雑木も大きいので大変な重労働作業でした。
次の年に森林組合の助言を得て杉3,000本、檜7,000本を植林した。1万本の植林ですので家族や知人、友人の協力を得て、土日を中心に植林をした。1本90円の苗代と共に傾斜の中スコップでの植林は重労働の作業でした。
1万本の植林も大変でしたが、植えた後一斉に笹や草、つたや切り株からの芽が伸びはじめ1〜2mになり植えた苗を枯らす。4haを年2回の下刈りが5年くらいは必要であるし、約千本の枯れた苗の補植もあり、土日を中心として夫婦中心の作業で、はじめは大鎌の作業でしたので体力的にも大変な苦労でした。
現在20年たち、手の届くところの下枝を切り、惜しいけれども強い木にするため3,000本の間伐が必要である。現在500本ぐらい切ったところである。安全のために手鋸で作業をしている。そして残りの7,000本は3mのむかで梯子に登って1本30枝ぐらいを小さい手鋸で切る作業なので、体力もいるし危険が伴うが今50本ぐらい終わったところである。まだまだである。(写真1,2)
ところで退職して時間が取れるようになり、4年前に今までの奥2haの植林をした。ここもまず雑木を切り倒し整理した。ここでは自生の松、山桜を50本以上切らずに残した。そして、今度は広くして3m間隔で2,000本の松、杉、檜を植林した。現在、年2回の下刈をして、2mぐらいに生長している。これまでに枯れた苗の補植を400本ぐらいにしている。苗代1本120円とともに刈り払機による下刈りなど加齢と共に大変な作業になっている。(写真3,4)
今年は新しく1haの雑木を切り1,000本の植林予定でしたが、猛暑で作業が遅れ現在6割方すすんでいる。今年中には終了させたい。
今後残りの馬蹄形の奥の頂上までの残り3haを3年かけて雑木を伐採し、3,000本を植林し一応のけじめをつけて10ha全体の一週コースなどをつくり山全体の整備に取り組みたい。(写真5)
最近はエコ活動が叫ばれる中、植林作業が洪水を防止し、大地をささえ、水源を涵養しおいしい水、栄養ある海をつくり、地球温暖化のCo2を吸収し、動植物の棲みかとなり、また、国内産林木の育成をはかり、森林セラピーの場として活用できるために、わずかでも貢献できるなら望外の喜びである。