社会貢献の功績
ボランティアグループすずの会
すずの会は平成 7 年、私の在宅介護を支えてくれた、PTA 仲間が「あなたの介護経験を地域で生かし、自分たちの老後も考えたグループを作りましょう。」と仲間 5 名でスタートした。
高齢者や介護者のサポート活動からのスタートであった。「ちょっと困った時に、気軽に鈴を鳴らしてくださいね。」会の名前には、そんな思いを込めて「すずの会」とした。福祉の専門家でもない主婦の集まりで何ができるのか。とにかく「やってみましょうよ。」を合言葉に、身近な人のつぶやきを見逃がさず、問題解決のための実践を積み重ねている。常に、当事者の立場で、生活者の視点を忘れず、活動を生み出している。地域の様々な自主活動団体、関係機関、専門職、地縁団体と、ネットワークを組み、地域全体で、地域の課題に取り組んできた。活動範囲は、人口 28,000 人の野川町内を中心にしている。
初めから、既存の組織に理解されたわけではなく、鈴を鳴らしてくれた介護者、高齢者、障害者の「ちょっと困った。」の声に、真剣に取り組み、喜んでいただけた小さな活動の積み重ねは地域に信頼され、共感をいただく応援団は、着実に増えてきた。平成21年9月、ボランティアは50名、そ こに繋がる人数はつかみきれなく広がっている。
介護者のサポートから始まり、集いの場つくり、情報提供、地域ネットワーク、身近な単位のご近所サークルへと発展している。
そのなかの主な活動の内容として、ミニデイサービスとダイヤモンドクラブについて触れてみたい。
(代表・鈴木 恵子)
* ミニデイサービス(要介護になっても地域とつながる場所)
川崎市の施設「野川老人いこいの家」を拠点に、毎月2回開催。平成8年、若年性認知症の妻を介護している、男性介護者のTさんの一言から始まった。「私と妻が参加できる場所はありますか?」Tさんの願いをかなえるために、地区内の老人いこいの家の物置場を借り受けスタートした。
始めてみると、行き場を求めていた、重い認知症の妻を介護している男性介護者、要介護の一人暮らしや、息子介護者、夫婦ともに要介護の高齢者など、問題を抱えた地域に潜在していた当事者が、様々な処から繋がり、「私のための楽しみの場所」と集まってきた。一人のためにが、最近では70名以上の集まりで賑わっている。平成20年度は、22回開催し1,820名が参加している。
* ダイヤモンドクラブ(ご近所サークル)
地域の中で孤立しがちな「ちょっと気になる人」を真ん中に、ご近所単位の集まりの場所を開いている。平成16年、5軒から始まり、33か所の個人宅を中心に広がっている。都市部で希薄になりがちな近所付き合いを復活し、いざという時には、助け合える緩やかな関係を築いていきたい。
集いの場ばかりではなく、24時間繋がる相談体制、スポットサービス、介護情報誌発行、男性介護者の受け皿作りなど、受けたニーズをきちんと受け止め支援隊を組む努力が、すずの会の原動力となり、ボランティア活動を楽しみ、学び合いながら前進している。今後も、地域のニーズを見逃さず、地域全体を巻き込んだ活動に、成長させたいと思っている。
受賞の言葉
地域の地道な活動が認められ、社会貢献賞の受賞はメンバーの励みとなり ます。 御礼申し上げます。都市部の急速に進む高齢化に身近な人々の支え合いが見直されています。社会に一歩の杖として、一人一人の様子に寄り添う活動を地域に広げる努力を積み重ねたいと思います。