第三分野/特定分野の功績
松本 麻美
2004年、松本さんは、インドのストリートチルドレン問題に自分たちで行動を起こそうと決意し、仲間と共にAIC(アシュレヤ・イニシアティブ・フォー・チルドレン)を創設し、在学していたカナダのマギル大学に支部を設立した。路上で暮らすことを余儀なくされた子供達に温かい家庭を提供する一方、広く啓蒙活動にも取り組む、孤児院の運営のための活動である。彼女は持ち前の行動力を生かし、在籍する大学で資金集めや啓蒙活動のリーダーシップをとった。学校新聞でも記事として取り上げられ、最も活躍した団体の一つとして大学からノミネートされ、多くの学生に活動することの大切さを強くアピールすることになった。
さらに松本さんは、活動の場を日本にも広げようと決意した。インターネットを利用して日本の学生に呼びかけ、日本支部のスタッフとなるメンバーを集め、2005年に日本支部を立ち上げた。長期休暇を利用して日本に帰国し、カナダでの経験を活かして組織基盤を作り上げた。そして松本さんは、様々な大学から集まったメンバーと共に、「学生を元気にする」という理念を共有した他学生団体の協力を得、設立からわずか3ヶ月で大規模なイベントを実施した。イベントでは、松本さんはパネラーとして、大手企業及び政府系国際協力団体と並んで、「国際協力とは」というテーマのもと白熱したパネルディスカッションを繰り広げた。さらにその後もネットワーク作り、チャリティー音楽イベントの開催などに奔走した。
松本さんの活動は、アメリカ、インド等世界五カ国に支部を持つAICの理事として、国際理解を常に念頭に置いたものとなっている。各国に散らばった理事間での意思疎通、様々な国籍及び文化背景を持つメンバーと、巧みな国際感覚を持って、世界の学生と協力して活動に取り組んでいる。
受賞の言葉
私自身がたくさんの方々に支えられてきたように、私も人の支えになりたい!その一心でインドのストリートチルドレン問題に取り組んで来ました。この活動の中で、行動することの大切さ、たくさんの人と協力することで生まれる可能性の大きさをいつも感じています。これからも自分の全力を尽くして、皆で協力しながら、子どもたちの笑顔のために活動に取り組んでまいりたいと思います。