平成16年度 社会貢献者表彰
第三分野/特定分野の功績
国際協力賞
ちぇ べぇんでぇ
崔 秉大
(1929.7.27生 75歳/大韓民国)
在釜山日本総領事館の現地職員として約30年間に亘り、反日感情の強い中、在留邦人保護に携わり、退職後も韓国芙蓉会及び慶州ナザレ園顧問、同地韓日親善協会副会長として在留日本婦人の支援活動を続けられている。
推薦者:友永 幸譲
崔さんは、1965年在釜山日本総領事館開設の翌年、最初の現地職員として勤務し、反日感情の渦巻く中で、約30年間、領海問題や、主として慶尚南北道の在留邦人保護活動に従事した。韓国では、終戦前後に韓国の男性と結婚し夫の国で生きることを選んだ日本女性が、戦後、反日感情の強い同国の厳しい状況の中で困難な暮らしを余儀なくされていた。崔さんは、老齢・貧困の在韓日本婦人の保護、支援活動を手弁当で行い、老婦人や韓国の関係者と強い信頼感で結ばれた。1980年の光洲事件では、危険を冒して邦人を救出し、時の大来外務大臣から表彰された。1994年、総領事館を退職したが、在韓日本婦人(平成14年270人、釜山芙蓉会調)の社会で崔さんは無くてはならない存在となり、老婦人の日々の相談事への対応、粗暴者の婦人に対する嫌がらせ等の処理、婦人及び2~3世の在留・出入国に関する入管との仲介などの支援を行ってきた。現在、芙蓉会(日本婦人会)と慶洲ナザレ園(日本婦人養老院)の強い依頼で、各々の顧問(無給)を務める。日本婦人にとって、何かあったら芙蓉会があり、体の自由が効かなくなったら、最後にナザレ園があるという、心と暮らしの支えになっている。因みに1991年再建立された釜山市立公園内の釜山日本人墓地(安置者1504人)は、同氏の努力と釜山市の好意によって造られたものである。その他、釜山広域市韓日親善協会副会長として、日系婦人支援の様々な活動を行っている。
受賞の言葉
私は40年前から約30年に亘り日本国釜山総領事館員として韓日関係の様々な仕事をして参りましたが、中でも戦前韓国人男性と結婚し来韓した多くの日本女性が戦後両国から差別され苦労の道を辿っている姿を見過ごせず機会あれば支援に努めてきたことが記憶に残ります。
今後とも、残り少なくなってゆくこのおばあさん達を見守ってゆく覚悟です。有難く頂いた副賞で目下彼女達との温泉旅行を計画しております。
隣国釜山にて