平成16年度 社会貢献者表彰
第一部門/緊急時の功績
おおたけ ゆうき
大竹 祐希
(昭54.12.3生 24歳/東京都江東区)
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東京都江戸川区を流れる中川に児童が足を滑らせ転落するところを、たまたま橋を通行中の大竹さんが目撃し、直ちに現場に駆けつけ着衣のまま川に飛び込み、児童を無事救助し尊い人命を救われた。
推薦者:東京消防庁/(財)全国消防協会
2003年 5月30日16時30分頃、東京商船大学(現・東京海洋大学)大学院生の大竹さんは、江戸川区西葛西一丁目の中川に架かる葛西橋を自転車で通行していたが、たまたま中川左岸の護岸階段付近で児童(7歳)が滑って川に転落するのを目撃した。大竹さんは急いで護岸近くまで行き、階段部分から着衣のまま躊躇することなく川に飛び込んだ。それまでに児童は護岸から河川中央方向に約5m、上流に約15m流されていた。(上潮のため川の水が逆流)。大竹さんは、大潮で流れの速い川を泳いで溺れている児童を確保し、抱きかかえながら頭部が沈まないよう慎重に階段まで泳ぎ着いた。駆けつけた高校生4名が大竹さんと協力して、滑りやすい足場に気をつけながら児童を護岸に引き揚げた。
大竹さんは児童を平坦な堤防上まで運び、横向きに寝かせ、背中を叩いて飲んでいた川の水を吐き出させた。呼吸があったので、そのまま横向きの姿勢で寝かせ、高校生が差し出した上着をかけて冷えた体を保温するよう努め、救急隊が到着するまでの数分間、引き続き体をさすって励まし続けた。病院に搬送された児童は、多少水を飲んだものの特に異常なく、入院することもなく帰宅した。なお、現場の水温は18度、中川の水深は4.5m、川幅は約95mであった。
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葛西橋(中川) 現場付近
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受賞の言葉
偶然にも現場に居合わせた私の行動に対し、周囲の方々からお誉めの言葉を頂き、また、この様な形で評価していただいた事を真に嬉しく思います。今後一層、微力ながら社会に対して少しでも貢献が出来る様に心がけ、努力していきたいと考えております。