平成16年度 社会貢献者表彰
第一部門/緊急時の功績
すずき ぎいち
故.鈴木 義一
(享年70歳/静岡県藤枝市)
前日の雨で増水した花倉川の渕の部分で、児童2名が溺れていることを知るや、高齢の身で直ちに水温の低い2月の川に飛び込んで救助に向かい、児童
1名を助けたが自らは亡くなられた。
推薦者:(財)警察協会 / 静岡県藤枝市教育委員会
2004年 2月23日午前10時20分頃、藤枝市葉梨小学校近くの花倉川に小学生2人が転落した。
近くで農作業中であった鈴木さんは、騒ぎを聞いて駆けつけ、直ぐさま花倉川に飛び込み、溺れている小学生のうち1人を抱きかかえて救助しようとした。しかし、川岸まで泳いで運ぶ途中深みにはまって力尽き、小学生と共に水面から姿が見えなくなった。
一連の騒ぎから、近くに住む高校生が現場に駆けつけ、川に入り鈴木さんと小学生1名を引き揚げた。鈴木さんは消防の救急隊により藤枝私立病院に搬送されたが、同日午前11時10分死亡した。なお、救助された小学生は、一命をとりとめたものの、他の1名の小学生は40分後に発見され死亡した。
現場の花倉川の両岸は高さ4.5メートルのコンクリートの急斜面に挟まれた川幅約10メートル、水深は通常約50センチメートルであるが、事故当時、前日の雨により約2メートルまで増水していた。鈴木さんは、70歳という高齢を押して、児童の命を救うため身の危険をも顧みず、2月下旬の水温低く増水した川に飛び込み救助に向かったものである。なお、鈴木さんは、町内会長を務めたこともあり、檀家総代も任されるなど地域の世話役として面倒見のよさで知られていた。