NPO法人 DAREDEMO HERO
2013年に設立され、フィリピンの最貧困地区の社会問題の根本解決に取り組んでいる。問題の解決にはその地域で育ったリーダーたちが各方面で力を発揮し、自分たちの力で環境を変えていく必要があるとして、教育支援を一番の柱に掲げ、貧困地区から奨学生を選抜し、大学卒業までの徹底した援助を行っている。現在51名余の奨学生がおり、あと2年で最初の卒業生が輩出される。また、団体の主な活動地域である、イナヤワン地区及びソオン地区のゴミ山、カレタ墓地、山岳農村地区であるタップタップで、自然災害や天災、疫病により「その日を生き抜くこと」すら困難な状況の最貧困層に対し、食事や必要な物資を提供。さらに自力で生き抜くための力や正しい選択をする力をつけさせ、「学ぶ喜び」を提供するために、ラーニングセンターを運営し、現在75名を超える子どもたちが学んでいる。提携する役場に無料のコンピューターHUBを設置し、より多くの子どもたちに学ぶ機会を提供している。日比文化交流も行い、双方の若者たちが共にSDGsの学びを深めるためのプログラムも実施している。
「すべての子どもたちが夢と希望を持ち 努力が正当に報われる社会を実現する」という目標を掲げ、これまで8年間、フィリピンセブ島で貧困層の子どもたちに教育支援を続けてきました。今回、このような形で、自分自身の努力が報われたことは、大きな喜びと共に今後の励みにもなりました。
日本を離れ、文化も風土も言語も違うフィリピンで活動を続けることは、簡単なことではありません。特にここ3年間は、新型コロナウイルス感染症による厳しい規制や、2021年12月にセブ島を襲った歴史的スーパー台風など、試練の連続でした。それでも、厳しい環境の中で夢に向かって頑張る子どもたちがいて、その子どもたちを支えてくださるご支援者様がいてくれたからこそ、活動を続けることができました。
コロナ前は、1年に1度は日本に帰国することができていましたが、コロナ禍では現地での支援活動に集中するため、なかなか日本に帰国することができませんでした。その中で、今回の受賞があり、表彰式にご招待いただくことで、3年ぶりの帰国が叶いました。
NPOやNGOの世界はまだまだ横のつながりが薄く、まして異国の地で活動を続けていく中で、同じ志を持つ仲間に出会う機会がなかなかありませんでした。今回、表彰式会場で29組の仲間に出会い、それぞれの活動や想いを聞くことができ、未来に明るい希望を持つことができました。そして、同時に自分たちに託された使命を改めて認識することができました。
セブ島には、まだまだ勉強がしたくてもできない子どもたちがたくさんいます。その日、食べるご飯もなく、家族のために働く子どもたちがたくさんいます。世界中には、まだまだ努力が正当に報われず、未来への希望を持つことができない人々がいます。今回の受賞を励みに、これからも自分にできる活動を続けていくことで、より多くの子どもたちが、夢と希望を持てるように努めて参ります。
最後になりますが、改めまして大変栄誉ある社会貢献者表彰を賜りまして、誠にありがとうございます。受賞におきましては、当団体に関わって下さる全ての皆様のご協力、そして温かな励ましのお蔭と考えております。改めて深く感謝申し上げます。
理事長 内山 順子