佐伯 昭夫
事務局長
タイ北部の山岳少数民族の自立支援に約30年間、無給のボランティアとして活動。元々は山口県の技術系の職員を務める傍ら、仲間と共に定期的にボランティアセミナーを開催。そこで国際難民キャンプで活動していた曹洞宗の僧侶を講師に招き、話を聞いたのをきっかけに「シャンティ山口」の前身「曹洞宗ボランティア会山口県支部」に入会。阪神淡路大震災の被災地緊急援助や、タイ北部の山岳少数民族の住む村落の支援も行った。住民の自立促進が目的のため、地域の生活環境を整備し、行事など、住民と共に協働連携することを前提に活動を続けている。先ずは、住民から意見を聞き、どうしたらいいのかを共に考え、地域にあるものを使い、住民と一緒に作り上げていく。2005年からトイレの普及を進め、排泄物を活用し残余物を畑に戻す自然循環型のエコトイレシステムを開発し設置した。他の村では強い農薬を使用する遺伝子組み換えトウモロコシ栽培で畑の荒廃が進んでいたため、果樹やコーヒー豆など低農薬の作物に転換させ環境を改善。お金や物を渡すだけの支援ではなく、現地の住民に寄り添い、環境を考えた支援を続けている。
社会貢献者表彰をいただきありがとうございます。
30歳後半のころから気の向くまま関わったボランティア⁉、気がつけば、すでに40年が過ぎて後期高齢者となりました。“元気がとりえ”のキャッチコピー、体の動く限り私の旅は続きます。
1981年国際障害者年をきっかけに障がい者ボランティアのお手伝いから始まり、阪神淡路大震災を経て国内活動の傍ら、ベトナム戦争・ラオス内戦で難民となり、タイ国境沿いの山岳地に逃れ貧困とハンディーを背負って暮らしているモン族の各村の自立支援にいたり、子どもの教育、保健衛生、持続可能な農業など寝食を共にしながら生活全般にわたってのお手伝いをしています。2007年地球環境基金助成事業での挨拶の一部をご紹介します。
私がこの村に最初に来たのは10年前、一人の小学校6年生の女の子(スパトラちゃん)のシャンティ寮入寮の家庭訪問でした。村の家は、竹と茅葺き造りで、木々が生い茂り、緑豊かで自然と共に伝統を継承しながら暮らしていることでした。
今回村に来てびっくりしました‼、以前の自然豊かな村の木々は全く無く、一面「遺伝子組み換えトウモロコシ畑」になっていました。農薬による体の不調や飲み水が無くなり、洪水による被害、土地は痩せ作物ができなくなり、多くの弊害と村の危機が迫っていることを知りました。このまま「トウモロコシ栽培」を続けたら、ここに住めなくなり、村も無くなることもみなさんもよく知っていましたが、なすすべもなく、現金収入唯一の「トウモロコシ栽培」に明け暮れ、次々と森林伐採を続けていました。
私は、これは大変なことになると思い、日本の皆さんにお願いしてこの村のお手伝いをすることになりました。村の将来について、みんなで話し合いを何度も繰り返し「トウモロコシ」を止めて果物の木を植えることを決めました。保育園舎の建増し、給食の煮炊きのメタンガスを利用したエコトイレ、これまで無かった各家のトイレをみんなで作りました。農業センターを造り、果物のつくり方や、増やす方法も勉強しました。また、政府などの農業研修所にも行き学びました。保健衛生や健康管理のセミナーでは、これまで知らなかった事を沢山勉強し、みんなで助け合いながら続けてきました。これからは、学習したことを生かした暮らしと、果物の収穫ができるまで「あと少し」みんなで頑張りましょう。今日は、みんなで創りあげたプロジェクトのお祝いと、来年もプロジェクトが続きますよう、そして新しい行政の村になるよう、皆さんでお願いしましょう。 “日本のみなさんありがとう”
これからもハンディーを持った村の「子どもたちの夢や希望が抱けるように」私の旅は続きます。