NPO法人 女性ネット Saya-Saya
暴力のない対等な多様性を認めあう社会を目指して活動しようと2000年に設立。無料/有料電話相談、個別相談、LINE相談(DV専門LINEと思春期LINE)、DV被害女性の自立支援プロジェクト、DV被害女性と子どものための支援プロジェクトやひとり親家庭の子どもたちへ食事や安心安全な居場所、ステップハウス(シェルター)、生活支援、子育てサロンなどDV被害女性と子どものための支援を行っている。その他、虐待防止のための子育て交流サロン活動、暴力防止ユースプログラム(デートDV講座)や全国各地で支援者養成講座を開催。プログラムを実施していくインストラクターの養成も行っている。2019年から家庭訪問型支援事業を開始。荒川区からの依頼を受け、虐待のリスクのある家庭等への訪問し(アウトリーチ)支援を実施。活動開始から20年、支援を受けた当事者はメンテナンスされて支援者となり次世代を支えるというサイクルを作り上げて、更なる活動を継続している。
NPO法人女性ネットSaya-Sayaは、DV・性暴力被害女性と子どもたちの支援のために、2000年に立ち上げました。Saya-は、インドネシア語で私。私と私がハイフンでつながって「Saya-Saya」です。DV被害女性は理不尽にも、住み慣れた地域社会から離れて、避難せざるを得ない状態に置かれます。新たな地域社会や仲間とつながり、本来の「私」を取り戻していくという意味で名づけました。被害者のニーズに合わせて、暴力を選ばないスキルをつけるための、母と子どもの心理教育プログラム、びーらぶ<beloved>や、女性の自立支援プログラム燦などを開発し、全国的に展開してきました。また、予防教育として、デートDVなどの暴力防止ユースプログラム「チェンジ」を都内や、千葉県内の高校などに実施しています。さらに、支援者を養成するための講座や、DVを予防するための講座を各地域で実施しています。また、シェルター・ステップハウスなどの運営をし、行政では対応できないペット連れや、高学年以上の男児なども入居できます。
コロナ禍において、DVの相談は例年の倍以上に増えました。私たちは、電話や面接相談だけでなく、思春期のライン相談、DVのライン相談なども増設しました。
世界的に、女性の4人に1人はDV被害に合っています。また、殴る、蹴るなどの身体的暴力より、言葉や、態度で支配される見えない精神的暴力の方が6倍も影響が高く、予後が悪いと言われています。DVの背景には、多くジェンダーバイアスがあります。女性だから家事ができてあたりまえ、妻は口答えをせず、おとなしく従うべきという価値観がまだまだ社会の中に根強くあります。どんな理由があろうとも、暴力を選んだら、その責任は選んだ方にあります。たとえ、「怒り」の感情を感じたからと言って、暴力を選ばない方法はたくさんあります。感情は自然に感じるもの。しかし、行動は選べます。自尊心が傷ついたことを教えてくれる大切な「怒り」の感情を、人に話したり、スポーツや芸術、社会を変革する行動を選ぶこともできます。私たちの社会が、女性も男性も、LGBTQもなく、個人として対等に多様性を分かち合える社会になれば、パワハラ、セクハラ、いじめ、DVはなくなることでしょう。そして、親密な関係にある人こそ、馬鹿にしたり、貶めたりするのではなく、もっと丁寧な、相手を尊重したコミュニケーションスキルを身に着ける努力が必要なのだと思います。Abuse is not Love!
松本 和子