私たちが活動する亘理町は、宮城県南部にある伊達家にゆかりのある小さな城下町で、温暖な気候に恵まれた真っ赤な甘いいちごの産地です。2011年の東日本大震災の津波により8割近い農地が海水につかり、漁港や町の主要産業である農業に甚大な被害がありましたが、同じ宮城県内の被災地の中でも、メディアでは被害状況を取り上げられることが少ない町です。
WATALISは、震災後に地域の女性達で立ち上げた団体で、代表理事、理事全て地域住民が主体となって運営しています。手仕事によるものづくりを通して、ふるさとの古き良き習わしや感謝の心をかたちにし、町の復興を願うあらたな仲間とのコミュニティを生み出そうと活動し始めました。地域の皆さんが“人との繋がり”や“心の触れ合い”を感じられるような集いの場を創りたいと考え、下記のような活動を続けてきました。

〇地域復興てしごとプロジェクト事業

全国の箪笥に眠る着物地を地域の女性たちの手で加工し、「FUGURO（ふぐろ）」などのリメイク商品を企画・製造・販売することで、現実的な女性の就労支援を実施してきました。（この事業をビジネスとして持続発展させることにより、雇用の維持と被災地域の経済活性化に貢献するため、2015年5月 に設立した『株式会社WATALIS』に譲渡しました。）

〇手しごとワークショップ事業

被災地住民などを対象にした交流の場を創出するために、ワークショップや茶話会を定期的に実施し、開かれた交流の場を開設しています。

〇サロン&コミュニティカフェ事業

WATALISの活動拠点は、手しごとワークショップや各種研修会など、地域住民の交流の場として活用されています。交流の環をさらに広げる場として 2016年2月にアトリエ＆喫茶「中町カフェー」をOPENしました。

この度の受賞は、私たちにとって身に余る栄誉であるという想いがある一方で、これまで変わらず私たちの取り組みを応援してくださった皆様へ恩返しができたような気がして、皆で嬉しい涙を流しました。

今年度から新たな事業として、未利用地や遊休農地を活用した農作業や養蜂に取り組んでいます。また、地元の障がい者就労施設との協働によるお菓子類の開発やイベントでの販売を通して、誰もが地域の中で一緒に働ける場創りのお役に立ちたいと考えています。コロナ禍で、地域で活動する者同士が互いに助け合い、支えあうことの大切さを改めて感じています。これからも自分たちにできることに精一杯取り組んでいきたいと考えています。

代表理事　引地 恵

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  全国の箪笥に眠る着物地を回収し、地域の女性たちの手でリメイク
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  着物の仕分け
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  着物地のアップサイクル商品製作風景
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  着物地のアップサイクル商品各種
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  遊休農地を活用した交流の場の創出　カボチャ収穫
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  遊休農地を活用した交流の場の創出　枝豆収穫イベント
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  遊休農地を活用した養蜂体験
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  被災地域内の交流の場　心を癒すフラワーアレンジメントワークショップ（コロナ前）
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  地域内の高齢者が参加する手仕事ワークショップ
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  ワークショップ（コロナ禍の最近）