スランガニ
スリランカは南アジアで最も高い識字率を誇っているが、貧しい家庭の子どもたちは学びの環境を整えることが困難である。スラム街で自宅の一部を開放し、無料で子どもたちに読み書きを教えていた、当時20歳ほどのスランガニさんとの出会った馬場繁子さんは、1992年幼稚園と地域の幼児教育支援のためにスランガニを設立。スリランカでは幼稚園の8割以上が個人経営で、園同士の繋がりは希薄、個々により子どもたちの学びの環境が違っていたため、個々の幼稚園をいくつかの小グループに分けグループごとに集めてワークショップを行い、先生たちの情報交換のためのネットワーク作りを始めた。今ではスリランカ各地で園が小グループを作り、約400の園で先生間のネットワークができて、地区の先生たちを介して支援が行われている。支援をはじめてもうすぐ30年を迎えるが、貧しい家庭の子どもたちの教育支援のほか、障がいを持つ子どもたちの通所センター、自立支援のための食品加工所、子どもたちが自由に楽しく絵本に触れる環境を作り、家庭へと広げる絵本箱プロジェクトなど幅を広げて支援活動を続けている。
スランガニは、スリランカのこどもたちの、学びの環境向上のための事業を実施しているスリランカ政府登録のNGOです。
幼稚園の支援活動から始まり、保育士への研修、グループ作り、トイレ、手洗いなど衛生環境改善、絵本箱配布/絵本出版、栄養指導、貧しい家庭の子どもたちへの教育支援、障がい児通所センターの運営など、30年の間に様々な角度から子どもを取り巻く学びの環境改善のためのプロジェクトに取り組みました。
今から34年前に、私は青年海外協力隊、幼児教育隊員としてスリランカに派遣されました。帰国後、日本の人々の優しい思いを集め、スランガニを始めました。今年で30年になります。
ここまで夢中に活動に没頭することができましたのも、スリランカのスタッフ始め、多くの方々のご支援とお導きのおかげです。
誠実に一人一人を思いやるという、スランガニの取り組み方。自分たちも成長していくことのできる環境のなかで育ったスタッフたち。スランガニはとても小さな団体ですが、スリランカで最強のチームだと自負しています。困難なことがあっても、時間をかけても、なんとかやり遂げる、その底力には驚くことがあります。そのチームの一人である私は大変幸せです。
草の根で人々とともに熱心に仕事をしているスタッフは、この受賞を心から喜んでくれました。オンラインで配信してくださった画像を同時に見ながら、自分たちも同席していたかのように喜び、メッセージを届けてくれました。
いままで支えてくださった方々に深くお礼を申し上げると共に、これからも今までと同じように、志を高く持ち、まっすぐと、日々の活動を続けていきます。スランガニの小さな輪が、 ゆっくりと美しく広がり、その波紋が関わった方すべてに広がりますように、そして笑顔になれますようにと祈ります。
この度、貴財団より社会貢献表彰をいただきましたこと、心からお礼を申し上げます。最後になりましたが、私たちを推薦してくださった、「空と海」の大野待子様にも心よりお礼もうしあげます。ありがとうございました。
代表 馬場繁子