一般財団法人 CHANG アジアの子供財団
タイのプロボクサーだった代表の斉藤興仁さんが、タイでは捨て子や虐待から孤児院で生活している子がとても多いことを知り、寄付と交流を始めた。更に周辺国では、スラムや貧困家庭のもっと過酷な現状を目の当たりにした。そこで、この子たちが幼い命を落とすことがなく、美しい夢に向かえるよう、生活と教育を支援することで、将来の自立を実現させることを目的に団体を設立。現在はカンボジアのスラムで、孤児院、幼稚園、学習塾、職業訓練所を運営、中学校と高校とも連携。この幼児教育から社会に出るまでの一連の機関を「CHANGスクール」とし、大学への進学や、日本への就職までを実現させている。ラオスでは崩壊寸前の小学校を建て直し、更に幼稚園と図書館を建設。タイではタイの子供財団 (Foundation for Children) と協力団体となり、発達障がい児のための知育教育を共同で運営。 HIV治療施設の子どもたちとの交流も続けている。そして、ベトナムでは戦争で使われた猛毒により、重度の障がいを持って生まれた子どもたちが暮らす施設に定期的に訪問。こうした活動を通じて、子どもたちの将来の自立と共に、弱い立場の人や貧しい村を救ってくれる人が一人でも多く育つことを願っている。
この度は栄誉ある賞をいただき、心より感謝を申し上げます。盛大なセレモニーと安倍昭恵会長からの表彰に感動いたしました。そして他の受賞者様の活動への熱い想いとパワーに刺激を受けることができ、大変にありがたく、活動への決意をより深めることができたセレモニーだったと振り返っております。
さて、私たちの活動の目的は「東南アジアの子ども達の生活と教育を支え、自立に導くこと」です。そのために、カンボジアでは孤児院、幼稚園、学習塾、職業訓練所を、タイでは知育教室を運営。ラオスでは小学校と幼稚園を建設、ベトナムでは重度障がい児の施設をサポートするなどの活動を行っております。
こうした活動の中で最も自己評価していることが、カンボジアの孤児院出身の男の子が、昨年、技能実習生として日本に就職したことです。劣悪なスラムで生まれた子が、私たちの施設、学習塾、職業訓練を経て、更に日本語学校に通い、今、日本で一人で生活をしていることは、正に私たちの目標とする「自立」です。また現地でも同じようにサポートをした子が、日本語の先生になるなど、少しずつではありますが自立を実現した子が出てきております。
今まではスラムで生まれ育った子にとって、日本で働くとか、先生になるなんて夢のような話でした。しかし、一緒に育った仲間がそれを実現させたことから、これが夢から具体的な目標へと変わり、次々に大学や日本語学校への進学を希望する子が増えているのです。私たちはこれからも益々、この意欲と目標をしっかりと支えてくことが最大の役割であることを意識して活動してまいります。
そしてこうした海外での活動と同時に力を入れていることが、「日本の子ども達へこの活動を伝えること」です。現在は複数の児童館で小中学生にお話し会をしており、この活動を知ることで「私もやってみたい」という子が増えることは、とても嬉しいことです。そして同時に、「途上国から学べること」がたくさんあることを意識して話をしております。これによって、どちらが上でもなく、お互いが理解し、尊重し合える関係ができれば、それは美しい世界につながる大切なきっかけになると考えており、今後もこうした国内での活動も積極的に進めていく決意です。
最後になりますが、今回同時に受賞させていただきました方々の益々のご活躍をお祈りすると共に、日ごろから応援して下さる皆様へ改めて御礼を申し上げます。
会長 斉藤 興仁