この度は、第55回社会貢献者表彰をいただき誠にありがとうございます。学校関係者一同、大変光栄に思っております。また、盛大な懇談会と表彰式にお招きいただきありがとうございました。同会・同式に出席させていただきました学生達も感激していました。

大分工業高等専門学校（以下、本校という。）の足踏みミシンボランティア部は平成15年から学生達が大分県内外の家庭等から寄贈された古く壊れた足踏みミシン（以下、ミシンという。 ）を校内で修理し，それを東南アジア諸国の貧困層などに贈呈するとともに学生達と教職員がミシン贈呈先に赴いてミシン修理技術の指導を行うことで、貧困層の生活および就労支援を図ることを目的とした学生参加型の国際的ボランティア活動を行っています。これまでに東南アジアの数ケ国に約300台のミシンを贈呈しました。

渡航した学生達は、学生自身が校内で修理したミシンが東南アジアの貧困層地域に届いていると感動し、同地域の人々がそのミシンを使ってマットや衣類等の縫製品を販売して得られた収入を食糧費、子供の学業品および生活費などに充てられることで、人の幸せのために役立っていることを実感しています。

また、今年はCOVID-19によるパンデミックが発生し、フィリピン国内での活動で協働している某協会の会長から「フィリピン国内も感染が拡大して大変な状況であった。ミシンを贈呈した貧困地域の人々は、感染症予防対策としてミシンを使って多くの布マスクを作製した。ミシンが同地域の感染症予防対策にも大きく貢献したこと」をお聞きしました。

渡航先の活動では、現地語に翻訳した修理マニュアルを用いて、現地の人達にミシン修理技術の指導を行っており、現地の人達は、学生達がミシンを修理する技術に大変驚いている様子で、日本の技術教育に感銘を受けています。

帰国後の学生による感想文等では、「渡航先の活動では貴重な経験と大変有意義な機会を得ることができ、自分の視野が広がった。」、「私達の活動は、現地の人々の生活に役立っていることが実感できて、大変嬉しく思った。」、「この活動に参加して本当に良かった。」などが述べられており、本活動は学生のボランティア精神や人間性を大きく向上させるなどの教育効果が確認されています。

本校の教育目的は「人間性に溢れ国際感覚を備えた技術者の育成」、教育目標の一つは「愛の精神」です。その教育理念に基づき、現在も学生達は地域の方々から善意で寄贈された古く壊れた足踏みミシンを修理し、次の支援に向けたボランティア活動に取り組んでいます。

今回、この賞を頂いたことは足踏みミシンボランティア活動の学生達にとって、より一層の励みになっています。

大分工業高等専門学校
教授　田中 孝典

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  2016年9月13日 フィリピン(パンパンガ州)でのメンテナンス指導
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  2016年9月13日 フィリピン（パンパンガ州）での子ども達と交流
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  2019年3月21日 フィリピン（パンパンガ州）修理後の集合写真
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  2019年3月21日 フィリピン（パンパンガ州）修理指導
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  2019年3月21日 フィリピン（パンパンガ州）修理指導
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  2019年5月23日 学内にて毎週木曜日の修理活動
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  2019年9月25日 足踏みミシン搬出作業