パグサンハン児童救援協会
1993年、社会福祉法人ぶどうの里「勝沼授産園」の初代施設長田ヶ谷雅夫氏は、フィリピン在住の知人を訪ねた際、同国のパグサンハン地区で横行している児童買春を目の当たりにし、現地のボランティアの団体を支援して、同地区での児童買春を減少させるための活動を始めた。その後、オロンガボ地区で児童養護施設「プレダ子どもの家」を運営し、ストリートチルドレンの救済活動をするシエイ・カレン神父を知り、パクザンハン地区の児童買春の減少と併行してオロンガボ地区のストリートチルドレンの救済のため神父への支援活動を開始した。フィリピンで国やマニラ市からの支援はないなか、パグサンハン地区の児童買春防止のためにはパンフレットの作成や配布による啓蒙活動、また現地関係者を日本に招いて講演活動を行っている。オロンガボ地区のストリートチルドレンの救済のために、「子どもの家」の入所児童劇団の日本公演や山梨県下や県外から寄せられた衣類や日用品等の支援を毎月行っている。
私たちパグサンハン児童救援協会が発足したのは、平成6年です。協会創設者田ケ谷雅夫は発達遅れの人達の福祉事業に長年携わってきましたが、たまたまフィリピン・パグサンハン市に住むハニー・ロジャースさんという障害児をもつアメリカ人女性から「当地では児童売買春が公然と横行している。その絶滅のために日本人にも協力してほしい」という依頼があったことから、私たちの活動が始まりました。
児童売買春は、子供の全人生をめちゃくちゃにしてしまう邪まな行為で、絶対に許すことはできません。しかし観光を主産業とするパグサンハン市は、貧困に基づく児童売買春のメッカとなっていました。顧客はオーストラリア、アメリカ、ドイツなどからやって来る児童姦異常性愛者で、最近は日本人の姿も見られるようになりました。
かれらは僅かなカネを親に支払って、小さい子供をホテルに連れて行き、さまざまな淫行を繰り返すのです。これは人間として放置できる事態ではありません。ハニー・ロジャースさんはじめ現地の有志とともに支援活動や財政援助を続け、表面的には事態は改善されつつあります。
そこで私たちは、同じフィリピンのオロンガポ市で児童売買春絶滅に挺身するシェイ・カレン神父の支援も開始しました。同市はかつてアメリカ海軍基地があったため、パグサンハン市同様児童売買春が今なお跡を絶ちません。同神父は養護施設プレダ子供の家を建設し、多くのストリートチルドレンや児童姦被害児童を保護しています。けれどもフィリピン政府からの公的援助は一切ありません。
私たちは同施設に長期的な資金や物資援助を現在まで続けています。米・砂糖・食用油・菓子などの食料品や学用品・スポーツ用品・玩具・衣類などです。また会員グループが同施設を訪問してワークキャンプを実施したり、カレン神父を数回日本に招聘して講演会を山梨・長野・静岡・東京などで開催しました。また深く傷っいた児童の心を癒し、慰めるために、同施設収容児童10数名を日本に招待して、10日間のホームステイも実施しました。
私たちの活動は今後も継続する必要があり、今回の社会貢献支援財団のお力添えは大きな励みとなりました。深く感謝申し上げる次第です。
代表 田ケ谷 雅夫