板倉 未来
子どもの頃の経験をもとに、大人になったら傷ついた子どもたちを絶対に助けると心に誓い、2004年から虐待で助けを求めている親子や、ひきこもりの子どもたちの支援活動を始めた。2011年に新潟市でNPO「母と子の生命をつなぐオーバージーン」を設立し、児童自立支援施設や児童養護施設の子どもたち、施設退園後の子どもたちの支援や命のレスキュー、緊急保護、自立に向けた生活のサポートを続けている。高齢者や子どもたちの居場所となる「OHANA子ども食堂」を毎週水曜日に開催。「死にたい」が「生きたい」という希望に変わる心と体を癒す居場所「OHANAの家」を五泉市にオープン。帰る家のない子どもたちの実家となっている。
この度は「社会貢献支援者表彰」という素晴らしい賞を頂きありがとうございました。
今日まで活動を支えてくださったOHANA応援団の皆様の想いと共に壇上に上がらせて頂きました。心から感謝いたします。
「日本という美しい島国から虐待という暴力をなくし帰る家がない子ども達のために居場所をつくる」幼い頃からの私の夢でした。
愛されたいと願う両親から暴言をはかれたり抱きしめられたいと願うその手で暴力をうけて心と体に傷を負った子ども達の傷の深さは、はかりしれず長い年月をかけて癒していかなければ回復できません。
私自身、今もなおその傷や痛みを抱え向き合いながら目の前の子供たちの痛みや悲しみ怒りに寄り添っています。
私が今とても大切にしていることは子ども達の声なき声を聴くことです。
助けて!と叫ぶ声が、かき消されその声を出すことすら許されない状況や環境の中で痛みと共に絶望し心は凍りつき感情を麻痺させていくその心と感情を動かしていくには喜びと感動体験を重ねていくことどんな自分も愛されるあるがままの自分を受けいれてもらえる、ゆるされるという今までと真逆の愛を体験し経験として積み重ねていくこと全否定され、批判されてきた人生から自己肯定感、自尊心を時間をかけて取り戻していく地道な愛を重ねていきます。
居場所さえあったら闇の道に進まなくていい、困ったとき、苦しいとき、帰る場所があると思えることがどれほど子どもたちの生きる希望になり生きようとする命を支える力になるか、居場所さえあったら自分自身を癒し回復させていけます。
負の連鎖を断ち切るため年月をかけて愛の連鎖に変える力が生まれます。
自分なんて生まれてこなければ良かったと思っている子ども達に「生まれてきてくれて ありがとう」「生きていてくれて ありがとう」この言葉を伝えるために誕生月の子ども達の名前を書いたバースデーケーキを毎月、施設に届けています。
虐待による傷が癒えない状態で何の後ろ盾もなく社会に巣立つしかない子ども達の中には生活が破綻し若年ホームレスとなったり、生きるために体を売ったりしている子ども達がいます。
そのような流れを止めるために退園後のケアが重要だと考えます。
本当なら自然に身につくはずの家庭というものを知らない、家族というものがわからない、子ども達に何も大切なことを教えずに社会に放り出すのは負の連鎖を生みだす事にしか繋がりません!
子ども達が自力で生きていけるように大切なことを学ぶ場が必要だと感じて今OHANAの家で子ども達の生きる力を育てています。
施設に入っている間に変わらなければいけないのは子どもではなく親だと私は思います。
子どもを施設に入れて終わり!ではなくその子どもだけが犠牲になるのではなく親自身が自分の問題に向き合っていく必要があります。
親も虐待を受けてきたケースがとても多いので親の子育てをサポートする親の教育システムを構築していきたいと考えています。
虐待をしてしまうママ達が同じようなことを繰り返さないようにするにはどうしたら良いか個人レベルでなく社会問題として取り扱っていく大きな課題だと感じママになるための学校子どもを愛するには自分を愛するにはどうしたらよいか愛を学べる愛のスクールを2020年から全国で開催していきます。
子どもから高齢者まで世代を越えて安心して集うことができる居場所としてOHANA食堂を立ち上げました。六畳二間に多い時で80名を超える人々が集い、楽しい笑い声いっぱいで食卓を囲んでいます。(子ども達シングルマザーファザー無料)
地域社会の絆が育まれ困っている時や苦しんでいる時に「助けて」と言える関係ができることで高齢者の孤独死を防ぐことに繋がります。
シングルマザーのママを応援することで生活の負担はもちろん精神的なストレスの軽減やネグレクトや身体への暴力などの虐待を受けている子どもの早期発見にも繋がり、誰にも相談できずに自分を責めて苦しんでいるお母さんや子ども達に寄り添えたらと願い立ち上げ継続してきました。
また子育てに悩むお母さんが相談することができる機会が増えるように子育て相談会を学校と連携して開催しています。
新潟県五泉市に全国のからの応援を受けてOHANAの家を立ち上げ、施設退園後の子ども達やDVを受けた親子などのサポートをしています。
精神科医の先生からOHANAの家という処方箋を出され訪ねて来られる親子もいます。
就労支援として竹炭をつくったり畑で無農薬野菜を育てたり子ども達の自立に繋がっていくような活動を広げています。
〜OHANAの家〜
⚫︎帰る家がない子ども達が帰ってこられる居場所
⚫︎虐待を受けている子ども虐待をしているママ達を癒す居場所
⚫︎生きづらさを抱えて社会に順応することができない子ども達や、お年寄りが支えあう居場所
⚫︎シングルマザーをサポートする居場所
子ども達の居場所OHANAの家を一緒に守り育てて頂けると嬉しいです。
社会貢献者表彰式典では受賞者の方々とお話ができる御配慮のおかげさまで交流を深めることができました。この様に同じ志で活動されている皆様と横に繋がる機会を賜り財団の皆様の温かいお心遣いに心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。
これからも私の命は目の前の子ども達の命を抱きしめ愛を伝えていきます。