社会福祉法人 ももやま福祉会ぐんぐんハウス
支援学校を卒業した子どもの活動場所として、「どんな障害があっても、どんなに障がいが重くても、僕らも仲間がほしい」という保護者の願いで1984年に「人として、豊かに生きる」を理念に京都市で設立された。療育作業所や知的障がい者通所授産施設を運営し、和紙の製造、加工、販売を行っている。
施設は特に重度の障がい者を受け入れ、親の高齢化に伴い、緊急時に預かれる場所や将来自立生活が送られるようになる為の訓練の場として、短期入所事業も行っている。また、近隣の障がい児を持つ親御さんに向けて子育てサロンや、親子食堂等、作業体験を通じて進路選択ができるようにと様々な事業を実施している。利用者の高齢化に伴い、親亡きあとの暮らしの場の確保に向けて、男女それぞれのグループホームも今年開設した。
「新たな挑戦」
この度は、公益財団法人社会貢献支援財団の第53回社会貢献者表彰受賞者として、安倍昭恵会長から表彰をいただき感謝の気持と心からの御礼を申し上げます。
ぐんぐんハウスは「どんなに障がいが重くても地域の中で仲間達と共に働きたい仲間がほしい」という願いのもと、1984年に運営委員会形式による療育作業所として利用者3名と職員3名で開所しました。当時は養護学校卒業後の進路先が少なく、在宅を余儀なくされる方が多数おられました。開所以来、無認可共同作業所の形態で障がいのある人たちと共に活動に取り組んで来ましたが、障がいがあることで社会の中で生きることの困難さや、沈黙のままに家族で困難を抱えている現実に向き合うこととなりました。一人でも多くの人を施設に迎え、職員も安心して働ける事業所運営を目標に、2003年に「社会福祉法人ももやま福祉会」を設立し、現在地に新たな施設を建て2004年に活動を開始しました。
施設は重い障がいのある大勢の方にご利用いただいていますが、ご家族の高齢化や「子どものためおちおち病気もできない」といった状況に加え、利用者の身体機能の低下が顕著にみられ、利用者の多くが複数のショートステイを利用していることが判明しました。このことから日中活動の場だけなく、将来の自立生活を経験していただくためにも、ショートステイの開設を求める声が多く出され、2012年にショートステイ事業をスタートさせました。2019年からは「親なきあと」の暮らしを支えるため、男女それぞれのグループホームを開設することができました。
地域に向けた活動として、障がいのあるお子さんのご家族を対象に「子育てサロン」や「親子食堂」を開催し、情報提供や相談に応じています。また、お子さんの将来の進路を親子で考える機会づくりとして「作業体験会」等も開催しています。
開所以来35年間を振り返りますと、「どんなに障がいが重くても、人として豊かに生きる」を理念として、利用者・家族・職員・そして地域の皆様とあゆみを進めてまいりました。この度の受賞を大きな励みとして、事業所名の「ぐんぐん」が「伸びる」を意味するように、より高く太い幹となり、障がいのある人もない人も「共に豊かに暮らせる社会」の実現に向けて、新たな挑戦を続けてまいります。
施設長 谷村 敏幸