受賞者紹介

第53回 社会貢献者表彰
なかにし さちこ

中西 幸子

(北海道)
中西 幸子

育児放棄により泣かない赤ちゃんが増えたという番組を見て何か力になりたいと思っていた中西さんは、子育てを終えて夫婦二人の生活になった時から里親を始めて16年、携わった子どもは8名になる。最初の子どもは刑期中の母親から生まれた生後8日の子で、夫婦で愛情を注いで育てていた子を出所した親が引き取りに来て、その後再び児童相談所に預けられることになり、母親と児相になんども掛け合って、再度養育したいと懇願したが聞き届けられなかった。自身の手を離れた子どもの人生が振り回される辛い体験や、親権者、児童相談所等とのやり取りで奔走する等の経験を基に、2012年からは地域で里親をしている人のメンターとして月に一度、子どもも交えて日々の相談にのる会合を開催している。育てられない親にも、育てて貰えない子どもにも、そして子どもを引き受けた里親にも、必要な時に手を差し伸べられるようにしたいと、それぞれの立ち場の人々と信頼関係を築きいのちを繋ぎ、大人の心の負担の軽減化と共に、子どもが幸せに育てられる環境づくりに尽力されている。

推薦者:小澤 輝真

今現在、二人の里子と突然5日前に緊急一時保護で、4歳の男の子の5人で生活しています。振り返ってみますと、27歳姉、26歳妹(2歳男児の母)、16歳、13歳、10歳、5歳の女の子たちとの出会い、只々毎日子どもたちとの目の前の生活でいっぱい。ようやく小学4年生(10歳)となり自分の回りを見回す時間が少しできました。

里子たちの実親さんを支えなければ親子としての人生が歩めないと気づいた17年前。

我が子よりも誰よりも自分が一番のママ。

子どもへの愛情はあるけれど生きるのが辛いママ。

病気のため子どもの「ママに会いたい、声が聞きたい」の思いさえも受け止められないママ。

その時々の子どもの思いを受け止めてママに伝える根気強く伝え続ける力が大切と思います。強すぎると反感を持たれる、弱すぎると相手の心に届かない、むずかしい。

この度の表彰で少しわかりました。私の里親としての心情を発信する場を与えていただいたのだと云うことを。とかく暗いイメージを持たれることの多い世間一般の視線は見えないからマイナスイメージとなることを。

子どもそれぞれ育てにくい子、発達障害の子、虐待を生き延びた子、知的に問題のある子、親子三代にわたる負の連鎖の子。

里親家庭で安心、安全、安定した環境で育ち、社会に出て仕事をして自分の人生を作り、税金を納めることを見据えての子育てです。

里子達には、自分の問題で里子になったわけではない、家庭それぞれの事情なので、子どもたちには全く責任はない。自分を卑下することはない、普通に生きる環境を幸せと受け止めて欲しい。どんな未来も自分の手で作っていける、サポートしてくれる人は沢山いることを。

我が家の二人に血縁はない、姉妹として必要なときには二人で力を合わせ、又一方必要な時には、実親、実姉、実兄の繋がりも繋ぎながら自分でその都度、選択しながら生きて行って欲しい。

社会の流れが激しく早い。これからの時代、地に足をつけて生きて行って欲しい。

里親も児童相談所もパーフェクトではない。それぞれ知恵を出し合い協力して子どもを守っていく。里親もごくごく普通の人達です。一人で抱え込むことなく子育てしましょう。

子どもは社会の子なのです。

この度は大変ありがとうございました。

追伸

過去に社会貢献を受賞された方々とのご縁があって協力できることが出来るとさらに大きな力となり、社会を支えることが出来るのではないかと思いました。

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