この度は田舎の小さな団体にこの様な栄誉ある賞を頂きありがとうございました。
昨年表彰を受けられた愛知県の赤ちゃん縁組の先駆者である矢満田篤二様より、表彰式と祝賀会のご招待を受けた際、まさかその翌年に自身が同じ場所に立つ機会を頂けるとは夢にも思いませんでした。
自分自身が表彰される立場となった時、まさかと言う驚きの気持ち、そして喜びと共に、今まで当会の活動を理解し支えとなってくださった皆様、そして推薦して下さった矢満田様に感謝すると同時に、これからも驕らず、粛々と日々の活動を続けていき、一つ一つの命、そして縁組家族と向きあっていきたいと思っております。

当会は2010年6月に設立、当初は愛知県の名古屋市に本部を置き、第二種社会福祉事業として活動をしておりましたが、2012年6月に役員交代を機に、役員の多い茨城県に本部を移行し「特定非営利活動法人」として申請・受理され現在の事業形態となりました。
当会は予期せぬ妊娠や経済的事情で産んでも育てられない女性の産前産後の支援、そして不妊治療などの努力をしても実子を授かることのできなかったご夫婦の「どうしても子育てがしたい」という願いを叶える為、特別養子縁組の仲介・サポートを行っている団体です。2017年12月現在、352人の赤ちゃんが新しい家族の元へと託されました。

当会の特徴として第一に関東・関西に無料で滞在できる母子寮・シェルタ－を1か所ずつ所有しており、希望する女性は母子寮・シェルタ－に滞在し、出産まで協力病院にてサポ－トを受ける事ができます。
相談者の多くが経済的に困窮していたり、様々な事情により地元での出産が困難な事が多いため、身一つですぐに移動して来られる母子寮・シェルタ－の存在は大きく、利用者は絶える事がありません。
母子寮・シェルタ－は産前だけではなく、産後帰る場所も仕事も失った女性が自立する為、就職活動や新居探しをするために滞在する事もあります。

第二の特徴が、当会は代表を始めとするスタッフの多くが、養子縁組の当事者であることです。養子縁組後の家族、里親をサポートする立場の者、そして過去に実子を養子に出した経験のある生母等で成り立っています。当事者だからこそ素直に喜びも悩みも苦しみも悲しみも共有しあえると思っています。愛の絆で結ばれた家族がどれほど幸せかを知っているからこそ、我が子が温かい家庭で育つ幸せ事を知って欲しいとの願いから、幸せな家族の姿や実親の手放す苦悩を知って欲しいため積極的にメディアへの協力も行っています。
中でも愛知県名古屋市に本部を置いていた時からお付き合いの始まった中京テレビとはドキュメンタリ－、ドラマで過去それぞれ４本の番組を制作、放送していただきその度に大きな反響を頂いています。

また当会では子供の出自を知る権利を重視しており、年に1度真実告知のシンポジウムを開催しています。シンポジウムでは既に真実告知を行った家族の体験談発表、出産後努力して立ち直った生母との再会の場所ともなっており、毎年10組ほどの家族が再会に感動の涙を流しています。
普段は全国をブロックに分け、近い地域での交流を行っていますが、全国の家族と交流のできるシンポジウムは皆心待ちにしている一大イベントです。500人を高い脚立から見下ろして撮る集合写真は当会の名物でもあります。

近年はダウン症などハンディキャップのあるお子さんの養子縁組も増えましたが、大きな愛のある温かい家庭に迎えられて大きく成長している姿を見せてくれています。皆様に沢山知っていただきたい事があり、ここには書ききれない事もまだまだあります。ホームページに沢山の写真や情報を載せていますので、幸せな家族の姿をご覧いただけますと幸いです。
このありがたい賞を頂き末裔までの宝物にさせて頂き、今後益々活動に力を入れて頑張りたい思います。

安倍会長はじめ社会貢献者財団および関係者の皆さまありがとうございました。

特定非営利活動法人 NPO Babyぽけっと　代表 岡田　卓子

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  2016年6月　矢満田篤二氏の基調講演「子に隠す親 親を信頼しない子～さまざまな親子に出会った経験から」第6回真実告知のシンポジウムにて
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  新しい母子寮が完成しました
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  新しい母子寮が完成しました