社会貢献の功績
認定特定非営利活動法人 ジャパンハート
小児外科医の吉岡秀人医師が中心となって2004年に設立され、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に、国内外で医療ボランティア活動を行っている。ミャンマー、カンボジア、ラオスなど、東南アジア地域での貧困層を対象とした診察、治療や手術、現地の医療人材の育成、また各国のニーズに対応して子ども養育施設の運営、視覚障がい者自立支援、ASEAN圏内の大規模災害に対する国際緊急救援活動など、多岐に渡る活動を行う。日本国内では、東日本大震災をきっかけに宮城県内にて「こころのケア」活動や、医療者不足が深刻な僻地・離島の病院への医療者人材支援、小児がんと闘う子どもとその家族の旅行をサポートする活動「すまいるスマイルプロジェクト」を行っている。
ジャパンハートは2004年に創設者の吉岡秀人医師(以下、主人)が「医療の届かないところに医療を届ける」ことを目的にミャンマーでの医療活動をスタートしました。
ミャンマーで医療活動を始めるきっかけとなったのは、この地で戦争により家族を亡くした方々が慰霊団に参加する際、医師の付き添いがなれば実現しないという声を受けて、主人が同行を引き受けたことから始まりました。そこでは夫が亡くなったであろう方向に向かってずっと手を合わしている女性、ミャンマー人に助けられて命拾いしたと語る元兵士の男性、流暢な日本語で当時の話を聞かせてくれるミャンマー人老人との出会いがあったそうです。それはまるで長年埋められていたタイムカプセルを掘り起こしたかのような時間で、日本とミャンマーという国と国との間にある沢山のご縁やご恩を知ることとなりました。戦争で大切な家族や仲間を亡くされた方々にとって、この地で生を受けた子どもたちは決して他人ではないのだということを知り、彼らの命に関わることで慰霊活動を引継ぐこと、この地に医療を届けることで国が受けたご恩を返していこうと考え、ミャンマーで医療活動を始めました。
医療活動はジャパンハートの医療者だけではなく、年間約600名を越える日本からの医療者やボランティアの皆さんの手によって支えられています。医療者は自らの休暇を使って手弁当でやってきます。少しでも自分のもつ技術をミャンマーの子どもたちのために役立てたい、国際医療の現場を見てみたいなど動機は様々ですが、彼らがミャンマーの医療現場で得たものは確実に日本の医療現場にも還元されていることと思います。
近年のミャンマーの経済発展に伴い必要とされる医療支援の質、場所、方法も劇的に変化をみせています。変化するニーズに敏感に対応し、本当に必要とされる活動を継続していきたいと思います。
また、ミャンマーでの活動は医療分野だけにとどまらずHIV孤児や人身売買の危険に晒されている子どもたちの保護を目的とした養育施設ドリームトレインの運営、盲人マッサージ師の研修制度の整備など多岐に渡る社会福祉活動にも多くの支援者の支えによって継続的に取り組んでいます。
そして今、医療活動はミャンマーだけではなくカンボジア、ラオスにも広がっております。
今回の受賞により、私たちは多くの方に団体を知っていただくこととなり、医療者ばかりではなく一般の方々にも活動に参加していただくきかっけをいただいたのではないかと考えております。これからも皆さまのお力添えのもと、日本とアジア諸国との架け橋になる活動を続けていきたいと思います。
特定非営利活動法人ジャパンハート
理事長 吉岡 春菜