社会貢献の功績
認定NPO法人 ロージーベル
宮城県で東北・北海道の少年院で放送されるDJ番組を制作放送する活動を行っており、番組を聞いた少年院の少年から寄せられる相談内容は出院後の不安に関するものが多いことから、出院後一時的にでも彼らの生活基盤を整えると共に、「帰る家」の必要性を感じ、平成20年に5ヵ年計画建設に向けて準備をスタートさせ、NPO法人化した。その間東日本大震災が発生し、急きょ少年らの受け入れが必要になったことから、借家にて運営を開始しました。これまでに行き場のない少年を31人受け入れ、家庭を伝えつつ、衣食住の提供、就職先の紹介や生活相談に応じ、更生を促し社会へ送り出している。少年たちをサポートする人材を養成するボランティア養成講座の開催も行っている。
「社会貢献表彰を頂戴して」
「僕、生まれて今が一番幸せです。施設長の幸せって何ですか?」
「君たちが毎日しっかり頑張っている姿が見られること、幸せだって言ってくれること、それが私の一番の幸せです!」
「本当ですか?そんなことが幸せなの?本当に?」
「本当!だから今、私はすごく幸せ!」
「ありがとうございます。僕、もっと頑張ります!」
これまで笑うことを知らなかった少年たちが心から嬉しそうに顔を綻ばせる瞬間。そんな心躍る時を共有できる幸せが体験出来る人は、世間広しといえどそう多くはないだろう、その奇跡のような時間を私は幾度も体験しています。
家族がいなかったり、虐待などの理由で帰る家がなかったり、社会からも弾かれ、安住の地はなくされど生きるために非行に走ってしまった少年たち。そんな彼らの帰る家、それが当法人の運営する「ロージーハウス」です。誰もが経験するはずの家庭のあたたかさや、家族の姿を体験できなかった少年たちに、家族を伝え、安心して生活できる居場所を提供し、自立に向け手助けをする。そこにはいつも関わる人々の愛溢れる優しさとあたたかさが少年たちを包んでいます。
2001年に始めた少年院DJに寄せられた在院中の少年からの手紙に込められた「助けて」という心の叫び、その声に呼応した仲間たちが集い、「たった一つの笑顔のために」をスローガンに、2008年法人を立ち上げ、2010年に借家にてハウス運営を始めましたが、非行というだけで、その裏側に隠れている事情を知りえない近隣の皆さんの理解を得るまでに2年がかかりました。日々努力を重ねた結果現在は受け入れて頂き、これまで31名の少年を受け入れ、29名が自立を果たし、2016年12月現在2名の少年がスタッフのあたたかな見守りの中で自立に向け、日々奮闘しています。
今回、この表彰式に参加させて頂き、様々な活動に取り組まれておられる個人や団体の皆様がおられること、そしてその皆様の志の高さに触れることができ、衷心からの敬意とともに背筋の伸びる思いがしました。また、安倍昭恵会長・内館牧子副会長・日本財団笹川陽平会長より頂戴致しました、あたたかな労いのお言葉が心に響き、益々の意欲を奮い立たせました。
頂戴したこの栄に恥じることなきよう、今後もどんな苦難にも屈することなく、「たった一つの笑顔のために」この小さな灯を消さぬよう、日々精進を続けて参る所存でございます。
この度は、素晴らしい賞を頂戴し、誠にありがとうございました。
理事長(施設長) 大沼 えり子