社会貢献の功績
更生保護法人 函館創生会
明治40年(1907年)に函館監獄の教誨師藤井大威らが「函館出獄人保護会」を監獄の一画に構えたことを起源とする更生保護施設。平成8年に現在の「更生保護法人函館創生会」となり、組織変更と改称を重ね100年以上の長きにわたり、帰るべき場所のない刑務所出所者などを保護している。同18年より「入所者に再犯をさせず一日も早く自立させる」「入所者の今後の生き方を考えさせる学校のような更生保護施設を作る」との考えのもとに、就労支援、退所先確保支援、金銭管理指導、と再犯防止、更生意欲喚起、心身の健康維持のためのミーティングや清掃ボランティアへの参加、誕生会の開催、「生き方教室」や「写経教室」「書道教室」などを行っている。同27年には「巴寮」の定員を15人から20人に増やし、年100人程を収容保護し、1人平均3ヵ月で自立更生に導いている。常勤職員6人、非常勤職員3人、日直・宿直協力保護司13人。更生保護女性会会員が土曜日に「男の料理教室」を、日曜日には夕食を作り寮生と共に食事する「ふれあい夕食会」を実施している。また「引き受ける」としている刑務所在所者に3ヵ月に1回各自宛てに手紙を書いて「函館創生会隔週通信」6通を送り続けている。
2016年(平成28年)11月27日(日)・28日(月)は、私どもにとって「感謝」と「感動」、「やる気」と「勇気」などを与えて下さった2日間でした。
第一は、事務局の皆様方が、用意周到、厳粛かつ整然と私たちを迎え入れて下さったことへの感謝と感動でした。
第2は、私たちを除いて、全国にはこんなにもたくさん「崇高な志」を持ち私財を投げ打ってまで世のため人のために活動している方々がおられるのかという驚きと感動でした。
第3は、私たち更生保護法人函館創生会は明治40年8月から先人の方々が知恵と資金と労力を出し合い、不幸にして罪を犯した人々の社会復帰を支援し続けてきた109年に及ぶ歴史の重たさとその方々の御苦労に思いをはせることが出来たことでした。
第4は、安倍昭恵会長や内館牧子表彰選考委員長、笹川陽平日本財団会長のご挨拶を通じて社会貢献者表彰の趣旨が良く理解でき、より一層高い志を定めて、役職員が一致協力して事業を進展させなければならないとする「やる気」と「勇気」を与えて下さったことでありました。
いただいた表彰状は額に納め、平成26年12月に天皇陛下から賜った御下賜金の「御沙汰書」を入れた額と共に玄関の壁に掲げて朝夕それを見て「今日も頑張るぞ!」と心を引き締めて、これから増え続けると思われる高齢者や覚せい剤事犯者などを中心に罪を犯した人たちの自立更生のために支援を続けていかなければならないと決意を新たにしているところであります。
本当にありがとうございました。
最後になりましたが、私どもの更生保護法人を推薦してくださいました、東京渋谷区代々木の更生保護法人両全会小畑輝海理事長及び表彰式典に公務多端のおり、まげて駆けつけて激励してくださいました畝本直美法務省保護局長、坂井文雄全国更生保護法人連盟理事長をはじめ関係機関・団体の皆様方に深甚なる謝意を申し上げます。
理事長 小笠原 孝