社会貢献の功績
社会福祉法人 北海道いのちの電話
昭和53年に自殺予防を目的として札幌に設立され、36年に亘り年間平均19,000本の電話を、24時間年中無休で受け55万件に及ぶ相談に応じてきた。電話相談員は2年間の養成研修を自費で受講し、講義とロールプレイの演習、研修担当相談員の支援のもと、電話を受ける実践を経て、適性などを踏まえた上で相談員になることが出来る。相談員はここ数年10名~20名程誕生しているが、高齢化や負担の大きいことにより、それ以上の人が辞めて行くのが現状。以前に実施した通信利用状況調査では、受信率は約4%と非常に低い数値であり状況は今も続いている。このような相談員不足と厳しい財政難の中、運営資金を得るための募金活動やチャリティーコンサートの開催や広報紙の発行などを行いながら活動を続けている。
「社会貢献者表彰式典」を終えて
この度名誉ある社会貢献者表彰を受賞できましたことは、北海道いのちの電話にとって、大変嬉しく思いもかけないことでした。また、名誉とともに副賞をいただけましたことも本当にありがたく思いました。
北海道いのちの電話は開局して36年目を迎え、今年の11月迄で、55万件を超える悩める方々からの電話を受けました。約2年間の研修を受けた無償のボランティア相談員が、365日24時間、孤独な中で自殺を思うほどの悩みを抱える方々に心を寄せ、その思いを聴き続けています。現在180人の相談員が活動しておりますが、かかってくる電話の20本に1本の電話しか取れておりません。また活動費を捻出する為に、周知活動やチャリティーコンサートを開催して事業を推進するボランティアをはじめ、多くの方々の寄付、ご厚意に支えられて、ここまで続けてくることができました。 しかし、この36年間ほぼ毎年抱える相談員と資金の不足に悩みながら、それはもう自転車操業と言うのが実情です。これを昨年北海道新聞社が「いのちの電話SOS」ということで掲載し、この記事を社会貢献支援財団の方が目に止められ、この度の受賞につながりました。私共のような地方で目立たない活動にも目を向けて下さったことに、驚くとともに、深い感謝の気持ちを抱きました。
表彰式典で、受賞された他の団体が、恵まれない社会の片隅に追いやられた人々の為に、我を忘れて尽くされていることに、深い感銘を受けました。社会貢献支援財団が、広い視野で多くの団体の活動に目を向け、発掘されていることも、驚きでした。ともすれば自分たちだけが苦労をしていると思いがちになってしまいますが、このように多くの方々が労もいとわず、活躍されていることに、式典、懇談会を通じて知り、受賞者の方々に連帯感も抱きました。周りの人々への無関心がいつも取り上げられている現代日本社会、でもこんなに活動している人がいる、それを支えてくれている多くの方々が存在していることに、あらためて現代人も温かい血が通っているのだと実感し、今後の励みにさせていただきました。
社会貢献支援財団の安倍昭恵会長、選考委員、職員の皆さま、支援して下さる日本財団に深い感謝を申し上げますとともに、どうかこの活動を今後とも続け、様々な団体、人々を発掘し、エールを送って下さいますよう、お願い申しあげます。
北海道いのちの電話
理事長 南 槇子