社会貢献の功績
特定非営利活動法人 このゆびとーまれ
富山赤十字病院に勤務していた看護師の惣万佳代子さん、西村和美さん、梅原けいこさんの3人が退職金を出資し、このゆびとーまれを開所させた。平成5年に富山県で初めての民間のデイサービス事業となった。看護師時代からの経験上、高齢者、障がい者・児、乳児が一緒に過ごす共生型福祉施設(日本で初めて)にしたが、「介護と保育は分野が別、補助金は付けられない」と行政から告げられ、賛同者の寄附などでギリギリの運営をしていた。その後、市民の声の後押しによって、補助金を受けられるようになり、4年目には対象事業の緩和となり、8年目に介護保険法や障がい者総合支援法の成立で経営を軌道に乗せることが出来るようになった。行政とも協働で取り組むようになり、この共生型福祉施設は「富山型デイサービス」と呼ばれ、全国に展開している。
高齢者が「家に帰りたい」と願っているのに、願いが叶わず施設で亡くなっていることに疑問を感じ、平成5年、富山赤十字病院を退職し、高齢者だけでなく、子どもや障がい者などの誰もが利用できるデイケアハウス「このゆびとーまれ」を開所しました。看護師3人が退職金を出資してのオープンでした。
このゆびは、国の法律に基づいた郊外の大規模収容施設とは異なる、従来存在しなかった「地域密着・小規模・多機能」をコンセプトとした共生型福祉施設です。これが後の「富山型デイサービス」として発展し、今では全国1,300か所以上に増えています。
看護師としてあらゆる人々を対象に看護を実践してきた経験から、「誰も排除しない」という意志で、誰もが地域で家族のように暮らすことを目指しており、高齢者や障がい者、子どもが相互に触れ合うことで、日常生活の改善や自立の促進、思いやりを身につけるといった効果を生んでいます。
さらに、障がい者が働きながら自分自身も地域の一員であることを実感できるよう、地域に密着した就労の場の拡大と、仕事の選択肢の拡大に努め、平成25年に就労継続支援B型事業所「はたらくわ」を開設しました。特区で認められ、全員が施設外就労可で働いています。
当初から現在まで、共生型福祉施設の普及に向けた行政への働きかけ、地域住民や関係者に対する講演活動等を続けています。平成14年からは、行政と協働で「富山型デイサービス起業家育成講座」を開催しているほか、ボランティアや起業家、医学生や看護学生等の施設での研修を受け入れるなど、「富山型デイサービス」を支える人材のすそ野の拡大にも取り組んでいます。
代表の惣万佳代子は、暮らしを支える看護師としての活動が認められ、今年第45回フローレンスナイチンゲール記章をいただきました。そして、この度、社会貢献者表彰をいただき光栄に思います。「今後とも精進しなさい」
という励ましの言葉だと受けとめ、職員一同、身をひきしめています。
表彰式に参列した職員は、式の素晴しさもさることながら、志の高い人達の存在を知り、刺激を受け意を新たにしています。
このゆびとーまれを支援して下さいました多くの皆様の賜です。感謝いたします。
表彰ありがとうございました。
特定非営利活動法人 このゆびとーまれ
副理事長 西村和美