受賞者紹介

平成26年度 社会貢献者表彰

海への貢献の功績

ふるさととうきょうをかんがえるじっこういいんかい

認定NPO法人
ふるさと東京を考える実行委員会

(東京都)
認定NPO法人 ふるさと東京を考える実行委員会 理事長 関口 雄三
理事長 関口 雄三

昭和52年から高度成長期と共に汚染された東京湾再生の活動に取り組み始め、平成25年の7、8月土日限定で13日間、都区内では約50年ぶりとなる海水浴場を葛西海浜公園西なぎさに復活させた。会の理事長を務める関口雄三さんは葛西地区出身の建築家で、活動当初は建築関係者などの仲間と共に試行錯誤しながら各方面に働きかけをしていたが、遅々として進まない状況に「自分だけでも絶対にやり遂げる」とシンポジウムや勉強会を開催し、海水浴場を復活させよう!というムーブメントを起こして賛同者を集め06年にNPO法人化し(10年に認定NPOの認可を受ける)、「里海構想」を掲げ、二枚貝や海藻を利用した水質浄化施設設置から海水浴場設置までをフローチャートにして都や関係機関と協働して活動した結果、同22年には水遊び体験、同24年には2日間限定の海水浴を実現、同25年には念願の海水浴場復活を成し遂げた。「常設の海水浴場設置」を目指し、活動を継続している。

推薦者:公益財団法人 社会貢献支援財団
海水浴客で賑わう西なぎさ
海水浴客で賑わう西なぎさ

今回の「社会貢献者表彰」をいただく事により、多くの人たちと出会うことができました。日本中に「善行」を、日々「志」とし、精神の鍛錬を積み重ね、自ら始め、立ち上がる大切さを共に感じ、立ち上がった方々やそれに共感し、それを支え育てた仲間達が一堂に会して触れあえたことは、主催者並びに関係者の方々に深く感謝申し上げます。

これからは、今回の表彰を機会に、多くの人たちに理解されるように、さらに努力をし、ひたすら次世代の子供たちの為に仲間と共に「自らのふるさとは、自らが守らねばならない」を合い言葉に行動して参ります。また今回の表彰によって、私達は勇気をいただき、振り返る機会を得ることができました。本当に有り難うございました。

ところで私がなぜ、東京湾に海水浴場を取り戻そうと考えたかを少しお話ししたいと思います。私は、20世紀は、急激な高度成長と共に、自然環境や人の生き方、価値観をも変えた世紀であったと考えています。それは都市環境に大きく反映されました。経済合理性を追求し過ぎたために、コンクリート、鉄、ガラス、アスファルトなどから構成される超高層ビル群を生み、自然と調和する生き方を手放してしまったと考えています。空気は汚れ、温暖化を生み、水は汚染され、大切な自然の時の流れを忘れ、時間に追われ、生活の中にある大切な「情緒」をどこかに置いてきてしまったのではないでしょうか。家族の絆も薄れてきました。

21世紀は、「再生の世紀」にしなければなりません。永遠に大切なものである「水」を決して汚してはいけないのです。それを失ってまで便利さを求めてはいけないのです。そうしないと大きな「負の財産」を世界中の次世代の子供に残す事になります。自らの手で子供の頃味わった、あの海の気持ちよい陽射し、そして身にまとう水の気持ちよさ、友だちと遊び学んだあの環境を何があっても取り戻さなければ子供たちに申し訳ないのです。行動しなければ、ある意味で私達は存在の意味を失います。

私は、これまで多くの人と出会い、「東京湾での海水浴の復活」を訴えてきました。最初は誰も本気にしてくれず、孤独な戦いでした。しかし、今では多くの同志を得ました。その経験の中で、私は、神仏にも頼らず、自分のこととして受け止めて自らが先に立ち、行動すること以外に道はないと感じました。東京湾での海水浴場の復活、さらにはそれを世界中の都市部の海にも広げていくという目標に向かって今まで同様、同志と共に一歩一歩、楽しみながら進んで参ります。

  • 実に50年ぶりです
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  • 海開きの神事
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  • 海開きのテープカット
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  • 海水浴場にはすいか割りでしょ!
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  • のりの養殖をしています
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  • のりを干して乾燥させています
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  • べか船
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  • 何が掛かったかな?
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