受賞者紹介

平成25年度 社会貢献者表彰

社会貢献の功績

カンボジアフレンドきょうかい

NPO法人 カンボジアフレンド協会

(群馬県)
NPO法人 カンボジアフレンド協会 理事長 菅田 則芳
理事長 菅田 則芳

理事長の菅田さんが1998年にカンボジアを訪れ、田舎の学校の様子を見て「何とかしなければ…」と支援を開始した。年間1棟の学校建設を目標に、現在まで12棟を建設している。ハード面だけでなく、住民が参画して学校を大切にするよう、子どもたちに遊具を作らせたり、日本の子どもとの交流も行なうといったソフト面に力を注いでいる。井戸やトイレの建設、奨学支援の里親や留学生の支援、写真展なども行なう。その他、群馬県の薬物乱用防止運動推進連絡会議、NPO法人群馬県青少年オーケストラ協会、群馬県アイバンク、安中碓氷ユネスコ協会、安中ジュニアオーケストラで役員等を務め、多くの分野で長きにわたり社会貢献活動を行っている。

推薦者:NPO法人 国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)高山 良二

今回は社会貢献の功績により貴財団より受賞致しました。本当に有難うございました。

約15年前にカンボジアを訪問し、カンボジア王国カンダル州プレイバン村に重点的に、子供たちの教育支援として学校を建設して参りました。

カンボジアと日本の掛け橋 オク ビチェイ氏
カンボジアと日本の掛け橋 
オク ビチェイ氏

当時のカンボジアは、長い内戦により疲弊し政治、経済が機能せず、子供たちの教育は疎かにされていました。校舎はお寺の庭で露天教室。内戦による砲弾で穴の開いた校舎。バナナの葉で葺いた屋根等、全て劣悪の環境で勉強していました。特に教科書、ノート等は無く、地面に棒で書いて文字を覚えていました。この現状を見て何とかしなければという思いが支援の始まりとなりました。
カンダル州プレイバン村は現在群馬県在住のカンボジア人オク・ビチェイ氏の生まれ故郷です。彼はポル・ポト政権時代に難民としてタイの国境近くのキャンプにいました。しかし縁があり、日本の群馬県大泉町で働くことが出来、遠く離れたカンボジアの生まれ故郷を支援してほしいとの事で、当協会に依頼があり、プレイバン地区の学校を建設することになりました。

今後のカンボジア復興は子供たちの教育が第一です。将来のカンボジアを背負う子供たちを育成していく事を決心致しました。学校を建設するようになると住民との接触が密になり、今度いつ来るのやと言われるようになりました。

古い校舎を解体する作業を手伝う村人たち
古い校舎を解体する作業を
手伝う村人たち

古い校舎の解体は住民に任せます。新築の屋根葺は大勢の住民のボランティアです。彼らには人の為にボランティアするという習慣がありませんから、人の為になることの尊さを一から教えなければなりません。子供の教育だけでなく、地元の住民の教育も必要でした。

いざ学校を建設し、落成式を行うと次の校舎の建設依頼書を村長、郡長、県長が私達に持ってきます。ですから毎年校舎を建設している状態でした。校舎の他にトイレ、井戸、溜池、植林等の要求があり、その都度応じてきました。

しかし、彼らにはゴミを拾う文化がありません。せっかく新しい校舎を建てても再訪問した際、校庭のゴミの散乱がとても気になりました。要求を満たすだけではなく、大切に使用する、ゴミを拾う等の条件を付けて教育していきました。毎年訪問する度に校庭のゴミがなくなり、村もきれいになっております。

完成した校舎 タークアット小学校
完成した校舎 タークアット小学校

村には現在水道、電気はなく、自動庶のバッテリーで夜2~3時間位テレビを見ているそうです。今後はカンボジアは電力をいかに生産するかが課題となっています。

平成23年は前理事長の坂本侃氏の慰霊塔がプレイバン村の住民により建設寄贈されました。日本の納骨堂にあたるものです。坂本氏は村人に慕われ、その功績によりプレゼントされたものです。お寺の庭の溜池のそばの索晴らしい場所に納骨堂はあります。坂本氏曰く"俺が死んだら分骨して納めてくれ"と笑顔で言っておりました。

当協会は現在シェムリアップの日本語学校の支援やタイ国境近くでの地雷処理事業等にも支援を行っております。今後はハード面よりもソフト面に力を入れカンボジア復興のために微力ながら努力して参ります。

今回は貴財団よりの社会貢献者の部受賞に対して心からお礼申し上げます。

NPO法人 カンボジアフレンド協会
理事長 菅田則芳

  • お坊さんが土間で子どもたちの勉強を教えています
    お坊さんが土間で子どもたちの勉強を教えています
  • 溜池の囲いの植樹を手伝う子どもたち
    溜池の囲いの植樹を手伝う子どもたち
  • 村人から贈られた坂本前理事長夫妻のプレイバン村のお墓が完成
    村人から贈られた坂本前理事長夫妻のプレイバン村のお墓が完成
受賞者とみなさまをつなぐプラットフォームプロジェクト「ひとしずく」