社会貢献の功績
特定非営利活動法人 京都マック
アルコール、ギャンブル、薬物、摂食障害、買い物等の様々な依存症からの回復を支援する団体として平成19年に設立された。(平成2年から18年は民間団体として活動)地元の精神病院と連携し、専門家を交えて依存症からの回復プログラムを行っている。主にグループセラピー(ミーティング)を中心にプログラムされている。その他 ヨガ・茶道・音楽社会見学・レクリエーションと多様な活動を通して依存症からの回復に取り組んでいる。また利用者が健康的な生活習慣を身に付ける訓練も行っている。利用者は規則的に京都マックに通所し、上記の活動を通じて依存症から回復・社会復帰を目指す。回復した利用者の中にはリカバリースタッフとして、支援する立場と活躍している。
この度は、社会貢献者表彰の受賞をいただき、誠にありがとうございます。また財団の関係者の皆様には、取材の段階から、審査、受賞の決定後の新幹線やホテルの手配、夕食会及び表彰式、祝賀会での歓迎など、様々な場面でお世話になりました。普段接することのないお料理とサービスも経験させていただき、本当に幸せでした。お世話になった関係者の皆様、本当にありがとうございました。
京都マックの活動の中心は、アルコールやギャンブル、薬物、摂食障害、買物等、様々な依存症の回復プログラムを提供する事です。毎日、利用者(マックでは仲間と呼びます)は、京都マックに通所して、1日2回のミーティングに参加します。ミーティングでは、過去の自分を振り返り、テーマに基づいて、ひとりずつ静かに話をします。他の仲間は発言をせず、ただ静かに聞き、議論する事なく進めていきます。過去の自分を語ることで、現在の自分を見つめ、これからの自分につなげて行く事を目的にしています。
ミーティングの他、調理実習や掃除、生き物の世話など、雑用も含めて、仲間が分担して行います。仲間が生活習慣を習得する大切なプログラムです。ソフトボールやバレーボールなどのスポーツ活動、美術館などの社会見学、野外でのレクリエーションなどを実施しています。何れの活動も、仲間がリーダーになり、準備や仲間の先導を行ないます。仲間同士の協力や葛藤、段取りの大変さを経験する貴重な機会となっています。
職員は、上記プログラムの立案と提供、個々人に応じた計画策定、個別相談などを行なっています。加えて、プログラムがスムーズに受けられるために、医療や福祉、保健などの関係機関との連絡や調整、会議を常に行っています。また、仲間のご家族、未治療のご家族も含めた方々を対象に、家族会を実施。依存症の知識を学習して対処方法を習得すること、ご家族が安心して感情を吐露できる場所を提供しています。
その他、「メッセージ活動」と称して、精神科の病院、医療少年院、大学の社会福祉の講座に出向き、京都マックの紹介と、依存症は回復するというメッセージを伝える活動を継続的に実施しています。
現在の職員8名のうち3人は、以前マックに通所していた元仲間です。同じ依存症者が働く姿とその助言は、仲間にとって、回復への大きな希望となっています。
京都マックは開設して、まもなく24年目を迎えます。これまでご支援とご協力をいただきました多数の関係者の方々の感謝を申し上げるとともに、依存症に苦しんでおられる人々の回復の為、これからも活動を拡げていきたいと思います。今回いただきました受賞は、その激励と受け止め、法人職員・仲間一同、頑張ってまいります。今後もどうぞ温かく見守って頂きたく、またご協力をよろしくお願い申し上げます。
入江 泰