社会貢献の功績
札幌遠友塾 自主夜間中学
1990年に有志により始められた北海道で初めての自主夜間中学校で、今年で24年目を迎え、これまでに420人が学んできた。受講者は戦後の混乱で教育が受けられないまま大人になった人、中国残留孤児やその家族、外国人労働者、不登校や引きこもりなど様々。授業は週一回水曜日の6時から9時まで行われ2教科の授業があり、国語、数学、社会、英語の他、遠足や社会見学、クラス発表会などの行事も行っている。
毎週釧路から何時間もかけて登校していた老夫婦が、一年後には生まれて初めての年賀状を講師宛に送ってきたこともあった。講師はボランティア、授業料と賛助会員200人からの寄付金で運営されている。
札幌遠友塾は、北海道で初めての自主夜間中学校として平成2年に設立いたしました。以来、24年目を迎え、今年までに420人余りが学んできております。
戦後の混乱で教育が受けられなかった人、中国残留孤児やその家族、外国人労働者、不登校や引きこもりなど、受講生は年齢も理由もさまざまです。12月現在受講生は64名、登録ボランティアスタッフは78名おり、運営は賛助会員の会費や寄付で成り立っています。
目標は、3年間で中学一年程度の学力をつけること、週1回、国語、数学、英語、社会のうちから2科目ずつ授業を行っています。クラスは1年から3年までと、マンツーマンでその人にあった授業を行うじっくりクラスの4クラスで展開し、生徒それぞれの事情に寄り添って活動しています。また授業のほか、遠足や社会見学、クラス発表会などの行事も、重要な学習機会として位置づけています。
毎週水曜夜、5時半に受付が始まり「はじめの会」に続いて授業、ホームルームや帰りの掃除、その後スタッフミーティングがあり、校舎をあとにするのはいつも9時を回っています。遠友塾は初めて安心して「わからないといえるところ、一つ学ぶごとに世界が広がっていくようでうれしい、共に学ぶ仲間やスタッフとの交流がとても楽しい居場所等々、厳しい生活を強いられてきた受講生の明るい声に、スタッフのほうが逆に励まされ癒される日々です。
遠友塾は、生きていく上で不可欠の基礎的学びの機会を得られず苦労している人々に、是非とも学習機会をという思いではじめられた活働ですが、最近希望者が次第に減少傾向にあります。ただ、受講生の口からは、「いろいろ回り道をしてやっと自主夜間中学という場にたどり着いた」、「もっと早く知りたかった」との声が聞かれ、まだまだ多くの希望者がいることが推測されます。また、周りの理解や施設の制約から、あるいは経済的な面から申し込んでもあきらめざるを得ない方もおり、なんとか学びを求める人がひとりでも多くその機会を得、より幸せな生活を手に入れてほしいと願わずにはおられません。
その意味で、私どもの活動に目を留めていただいた今回の受賞は貴重な機会となり、心より感謝しております。また授賞式の場は、私どもの知らないところで、これほど多くの助け手を求める人がおり、これほど多くの支援活動が行われていることに驚き感動する場ともなりました。そのような方々との貴重な交流の場となったことも大きな収穫でした。
代表 遠藤 知恵子