東日本大震災における貢献者表彰
室根町自治会連合会
震災による停電が復旧した3月14日から4月9日までの27日間、一関市室根保健センターなどで炊き出しを行い、一日当たり750~1,000個のおにぎりを気仙沼市の避難所にいる被災者に届ける支援を行った。また、3月27日から4月18日までの隔日、気仙沼市本吉町小泉中学校に避難している被災者に、一関市立室根促進センターの浴室を開放して入浴支援を行った。
忘れもしない3月11日。震度6弱の地震が当地域周辺をおそった。直後から、停電、断水。各家庭の家具やタンスは倒され、地区センターの自動ドアなどが折れ曲がるなど大きな被害があった東日本大震災でした。
職場や自宅も大きな被害に合い後始末に追われました。停電による情報網の寸断により、周りの様子が何ひとつわからないまま時間が過ぎて行きました。夕方になり辺りが薄暗くなった直後、宮城県気仙沼市方面の上空が、火事が起きたか赤く染まりました。近くの方がカーテレビでニュースを見て、「気仙沼市が大津波で死者行方不明者が多数」であることを伝えに来ました。
このことが自治会長を通じ連合会に情報として入り、直ちに次の日の朝一関市役所室根支所に自治会長が集まり支援協議。その日から20自治会で炊き出しを開始。各自治会を回り、約1000個のおにぎりを午前と午後に分けて宮城県気仙沼市の避難施設に運搬。途中、大津波で破壊された建物等の変わり果てた気仙沼市の町並みを運転しながら避難施設まで運搬しました。
避難施設では皆さん寒さに震え、暖房もない体育館内で固まって耐え忍んでいた姿を今でも忘れません。あったかいうちに食べてもらえるよう、発砲スチロール製の箱に入れて午前中に一度午後に一度運搬しました。二度目の運搬で避難施設に行くと、先に運搬したおにぎりが全てなくなっているのを見て、数が足りないことを思い知らされました。
室根町自治会連合会に加盟する皆さんが一生懸命、おにぎりをにぎる姿。田舎で大切に守られている「困ったときはお互い様」の精神。誰ひとり嫌と言わず連日おにぎり作りは、初めは各自治会館で途中からは室根保健センターで行われ、気仙沼市避難施設へ送り届けました。ほかにも各自治会から水や牛乳、汁物、下着・着物類や毛布類など多くの物資も届けることができました。
また、気仙沼市本吉町で被害に合い近くの本吉町小泉中学校や室根町にある旧津谷川小学校へ避難していた方々には入浴施設が不足していため、室根交流促進センターにある浴室を解放し、各避難所ごとに入浴時間を割り当てゆったりと入浴してもらい喜ばれました。
今回の東日本大震災は今までに考えられないほどの大きな被害があり、とりわけ津波の恐ろしさと災害時の対応をよくよく考えさせられました。まだ復興には長い年月がかかると思われますが、この受賞を機に室根町に避難してきている方々ばかりでなく被災者の皆さんへ何かしらの支援を継続して行なっていく決意です。最後に被災した地域の早期復旧復興をお祈りいたします。