社会貢献の功績
日明リサイクル工房
知的障害者の保護者などでつくる、社会福祉法人北九州手をつなぐ育成会が運営する事業所の一つとして、家庭から出される空缶や空瓶といった資源ごみのリサイクル部門の一部を工房が市から委託を受け知的障害者の働く場所として運営している。平成6年に開所され、目標の一つに「向上心」を揚げ、フォークリフトなどの免許取得にも挑戦し、利用者35人のうち既に9人がフォークリフト、2人は重機の免許の資格を取得するなど作業する障害者と運営する工房側が一体となり、障害者の社会的自立を目指し活動している。
○活動の契機
日明リサイクル工房は、平成6年に開所した就労継続支援A型事業所(最低賃金以上で障害者を雇用している施設)です。社会福祉法人北九州市手をつなぐ育成会が運営し、現在は知的障害者35名を雇用しています。
業務内容として、家庭から出される、かんびん・ペットボトルのリサイクルをするための選別作業を北九州市より委託され、毎週200台以上のごみ収集車から運び込まれる130トン程度を毎日、手で選別しています。
この選別作業は、北九州市の全面的協力によるものですが、障害者本人たちは何とかその期待に応えたいと、社会人としてのプライドをもち日々仕事に取り組んでいます。さらに障害があっても社会参加したい、少しでも社会に役立つことがしたいという「挑戦」、「向上心」をもちスポーツ、文化的活動、免許取得、資格取得、ボランティア参加、国際交流等の取組を積極的に進めてきました。
○現在の状況
平成16年頃からこの取組みはスタートして現在では、フォークリフト免許取得者9名、普通免許取得者5名をはじめとする免許取得者述べ35名、ヘルパー2級3名他パソコン検定、ハングル語検定等資格取得者述べ14名にも及んでいます。その他にも、全国障害者スポーツ大会出場、市絵画展市長賞受賞、日韓当事者大会参加等障害者本人たちの「向上心」は留まるところがありません。この取組みの素晴らしいところは、自分のためだけではなく少しでも社会のために役立つことをしたいという気持ちが障害者一人一人のベースになっているところです。平成19年にISO14001を取得しマイバック、マイハシ運動等日頃から市民の一員としてエコ活動にも積極的に取組んでいます。
昨今、QOLの改善が叫ばれていますが、障害者福祉の中においても例外ではなく生活の質、生きる喜び、地域参加等の改善が叫ばれています。日明リサイクル工房の取組みはそれらの先駆的な活動になっていることと思います。
今回の受賞を糧にこれからも、障害者本人たち職員共に「挑戦」する気持ちを忘れずに、継続することと新しい取組みにチャレンジし地域の一員として日々充実した生活を続けていきたいと思います。