人命救助の功績
吉田 秋一
平成23年2月26日14時15分頃、自らが所有し居住するアパートで、2階の住人から警報器が作動しているという報告と、1階の部屋から煙が出ていることを聞きつけ、すぐにその部屋に入り、怯えて動けない男児(5才)を玄関で救出。その後黒煙が充満する部屋に再び入り、足にしがみついてきた女児(1才)を発見し救出した。自身は気管支や顔、網膜に火傷を負い入院となったが、幼児たちは怪我もなく無事だった。
2年前に心筋梗塞を患ってペースメーカーを入れており、リハビリのため自宅でくつろいでいた。平成23年2月26日、14時過ぎアパート(恵実ハイツ)2階の住人親子から1階、2階の火災警報器が鳴っていると連絡を受けた。妻と外に出て、住人と妻と3人で各部屋を見て回っているとアパート横を通りがかりの方が、道路側一階部屋の換気孔から煙が出ていると知らされ、1階101号室玄関前に行くと、玄関のドアが10cmほど開き、5歳の男児がドアの隙間から顔を出し、すぐに閉め部屋に入ってしまった。ドアの隙間からは黒煙が出ており、私は玄関を開け男の子を追いかけて抱き上げ、妻に手渡して部屋に戻り、1歳の女の子を探したが、黒煙と炎で周りが見えず手探りでフローリングを一周回り、内側ドアの辺りで柔らかいものが膝に当たり、小さな手が膝にしがみ付いてきた。
私は、「子どもだ」と思い抱き上げた。子どもは泣くわけでもなく、ビックリしていた。
子どもを妻に手渡し、もう一度中に入った。人がいないか確認したが、中は黒煙、炎で前が見えず息苦しく外に飛び出した。近所の人が心配そうに、下の子の救出の時は「まだ人がいたんだ」とビックリしていたそうだ。
近所の方々の手伝いで2人の救出ができたと思う。その後消防車、救急車が来て消火により鎮火、2人の子どもは救急隊の人が病院に連れて下さった。火傷、怪我もなく安心した。
私は救急車で病院へ。顔、目、耳、手に火傷を負った。
目の中は白くなり、周りが見えず、顔と耳からリンパ液が流れ落ちていたそうだ。
ICU室で3日間治療し、煙を吸い込んだせいか、ICUにいる間、咳、タンが出て辛い3日間だった。2週間ほど入院し、退院後火災にあった部屋を見たが火災の恐ろしさを実感した。
ライターによる事故で小さな命が亡くなっているので、大人や喫煙者は十分気を付け、点火しやすい物は子どもの手が届かない所に置いてほしい。
2人の子どもを救出できたことは大変嬉しい。
将来ある宝物の子どもが無事で安心した。