社会貢献の功績
くるみクラブ
昭和40年に中央大学の体育授業でラグビーを経験した学生たちによって結成されたクラブで、社会人、大学生を中心にスポーツを通じた仲間づくりと青少年の育成に45年に渡り取り組んでいる。また、クラブの有志が共同生活する「寮」を三鷹市で運営しており、社会生活の基礎となる人間関係をスポーツを通じて育むとともに近年は不登校や引きこもりなどの経験を持つ若者も受け入れるなど通算で1万名のクラブ員、1千名以上の寮生活経験者を送り出されている。
くるみクラブは1965年、中央大学の体育講師であった桑原寛樹(現クラブ会長)の体育授業で、ラグビーを経験した学生達によって作られたクラブです。以来45年間、社会人、大学生を中心に、スポーツを通じた仲間づくりと青少年の育成に取り組んできました。
くるみクラブの大きな特色として、1971年に取り組んだ「くるみ蔵王グランド」の建設があります。桑原と大学生を中心とした約300名のくるみクラブのメンバーは、ラグビーで培ったチームワークを活かし、宮城県の蔵王町において手造りのグランド建設に挑戦しました。資金はなく、学生はアルバイトで貯蓄し若いOBはボーナスをそっくりそのまま返上し、さらには早朝から夜まで雑木林を切り開き、カンナやノコギリの手慣れぬ仕事に汗は青春の思い出と一心不乱に取り組みました。こうして完成させた「くるみ蔵王グランド」において、今もクラブでの活動を通じ多くの若者が育まれています。ラグビーだけにとどまらず、テラスを備えた喫茶室やクラブメンバーが全て取り仕切る厨房施設など、メンバーを楽しませるために必要な多くの作業、仲間たちの語らいなど、若者を育む上で不可欠で魅力的な環境に溢れています。
もう一つクラブの特徴に「寮生活」があります。それは桑原の教育観の中核をなすものであり、すなわち若者たちの自由と自治の訓練の場です。週1〜2回のラグビー、早朝のトレーニングや持ち回りの食事当番、食卓を囲んでの語らいなど、決して上からの押し付けではなく、様々な共同作業を通じて自分の責任をきちんと果たすことや他人とのチームワークを学び、人と人とのつながりや友情を育むことを目的として運営しています。
また女子学生の活動の場として、女子ホッケーチームの運営、さらに蔵王グランドでは、クラブの大学生を中心に運営補助にあたる、高校、中学校のラグビー合宿や盛岡の知的障害者施設「緑生園」のラグビー合宿が恒例行事となるなど、少しずつクラブの内外に活動の場を広げてきました。
クラブ寮においても、他競技に取り組む選手や大学受験生、学生相談室に訪れる若者や、不登校、引きこもり経験をもつ若者など、互いの仲間作りの一環として、垣根を設けず積極的に受け入れています。
クラブ寮については現在東京都三鷹市において運営しています。互いのコミュニケーションが希薄になりがちな現代社会状況の中、スポーツ分野だけでなく、教育分野や保護者の方々からも関心をもって頂くことが多くなってきたように思います。仕事や学業の合間を縫った限られた時間の中ですが、くるみクラブの活動が分野を問わずより多くの仲間作りの場となるよう、メンバー一同、今後も試行錯誤を続けていきたいと考えています。