社会貢献の功績
Dioクラブ太助
代表者が在職中に社会福祉の通信講座を受けて在宅介護の必要性を感じ、高齢者や障害者のバリアフリー工事などの負担の大きいことを知り、日曜大工の技術を活かし材料費と交通費のみで家の悩みを引き受けるボランティア活動を平成12年から始めた。はじめは一人だったが、 同市にクラブを設立しボランティア仲間や口コミで一級建築士や大工経験豊富なメンバーが集まり、柏市や流山市で活動されている。現在クラブ員約12名、700件の家の修理や補修を実施した。
停年になる数年前から、退職して年金生活をするようになったら「濡れ落ち葉」と言われないようにしたい、できることなら、私が日常自宅で「日曜大工」をしているそのままをボランティアに活かしたいものだと考えるようになっていた。自分の趣味を活かす活動が最も自然であり無理が無いとも思った。しかし、それまでの人生ではボランティアの経験は殆どなく社会福祉の実情についての知識も乏しいので、前もって基礎的な勉強をしておこうと、退職前の2年間に「社会福祉」の通信教育を受講した。そして退職後早々にある団体の会合で「日曜大工のボランティア」の提案をして同志を募ったところ、手ごたえのある反応があり、それから数回の検討会を経てボランティグループ「Dioクラブ太助」の誕生となった。
「Dio」は「do it ourselves」で、DIY(do it yourself)をもじったもの、「太助」は「一心太助」の心意気である。
スタート直後の数週間は、PRに明け暮れていた。高齢者や障害者などの福祉に関係ある組織や機関を手当たり次第に訪問し、チラシの配布などの協力を要請して歩いた。当初は「開店休業」の不安が付きまとっていたが、2年目を迎える頃には、それは全くの杞憂となっていった。後で分かったことであるが、自分達が気付かないところで、多くの人達が口コミの宣伝をしてくれていた。こうして、順調に活動が展開されるようになって暫くすると、メンバーの中から「このボランティアを始めてよかったよ」とか「こんなに感謝されるなんて」などの感想が漏らされるようになった。訪問先での仕事が終わって引き揚げる時、依頼主から「どうも有難うございました」「大変助かりました」などの厚い感謝の言葉を頂いて感激しているのである。大変手間のかかる工事などで疲れはてたり、難しい工事で苦労を重ねたりして、普通ならばグチの一つも出そうな時でも、こうした感謝の言葉を聴くと達成感や満足感で心が癒されてしまう。私達は「ボランティア冥利」につきると感じあっているのである。
このようにして、10年途切れることなく活動を続けているが、その間に新しい技術の研究と習得にも努力しており、新しい工具や部材も積極的に取り入れている。現在では、高齢者や障害者などの支援だけでなく、NPO法人が運営する「デイサービス」「グループホーム」そして「小規模作業所」などからも依頼をうけており、さらに「児童センター」「図書館」といった公的施設にも活動を展開するに至っている。今後も健康に留意して、足腰の動く限りは活動を続けたいものと考えているが、メンバーの高齢化は避けがたく、次世代への引き継ぎが大きな課題となっている。団塊の世代の人達に是非こうした活動に参加して欲しいと願っている。