社会貢献の功績
特定非営利活動法人 外国人医療センター
言葉や法律の壁により不利益な立場に陥りやすい状況にある外国人の医療支援を目的とし、平成10年に名古屋市に設立された。外国人無料健康相談会、電話・メールでの情報提供、啓発活動など行い、なかでも外国人無料健康相談会は、医師、歯科医師、看護師、通訳などの 専門職種も含め、年間延べ人数約230名のボランティアの協力を得ながら、通算145回、延べ人数2095名の相談者に対応されている。
平成22年度の社会貢献者表彰授賞に浴し、これまでご支援、ご協力をいただいた関係各位に心から感謝します。
思い起こせば15年ほど前、愛知の地で滞日外国人の人たちとの共生を目指す全国集会が開かれました。医療の問題も大変だねという話がされ、東チモールで亡くなられたレナト神父の活動に参加されていた人たち、今は稲沢で開業されている山田先生をはじめとする医療関係者が集まって、外国人医療センターの活動が始まりました。最初は、医療相談や総会のときの市民集会が中心でした。段々、愛知県の外国人向けの医療情報ホームページや電話情報の作成、県下各地の医療相談会の開催、最近では外国人向けの介護ヘルパー教科書の翻訳なども行うようになりました。理事にも弁護士、歯科医師など各界の方たちの参加を得られ、事務所も何とかもてるようになりました。これも偏にご支援、ご協力をいただいている多くのボランティアの方たちのおかげです。
最初のころは、オーバーステイの方の相談や時に命に関わる事例相談もありました。その後は、ブラジルの方が増え、最近はそれも減って、定住する子供たちの相談や、研修・実習生の健診の「下請け」など、世相を反映した内容になっています。今後は、問題となっている医療通訳育成なども関係者と協力して進めていきたいと考えています。
ずっと理事長として外国人医療センターを支えていただいた村地先生から理事長の役をひきついで日が浅いのですが、私も病を得て、次の世代にいずれ活動を託すことになりました。体の許す限り、外国人、日本人の枠にとらわれることなく、地域でともに生きていくことを支える活動を続けていきたいものです。