社会貢献の功績
特定非営利活動法人 のべおか城昇会
平成2年6月より延岡市で障がい者の地域社会における自立生活支援事業を行うことにより、福祉の増進を図る目的で会を設立して以来、20年にわたる活動を行っている。通所生のための体験事業として農作業を実施、野菜類の栽培収穫、販売を行い、能力開発として養殖事業、 リサイクル事業や公共施設の清掃受託、民間不動産業者と提携し引越し作業、清掃作業などを行う。更に、精神保健福祉の啓発や教育機関とも協同してボランティアや学生を受け入れ利用者と学生の交流の場も提供されている。
平成2年6月、本会は精神障がいを持った方達の親が集まり、家族会・大瀬作業所として発足した。
日中行き場のない精神障がい者の居場所として、延岡市大瀬川の河川敷を借用して畑作業を始めた。河川敷の畑は自然災害で収穫は儘ならないが、癒やしの場としては非常に喜ばれた。
指導員は親達で、週3日制で8名の障がい者(通所生)と一緒に快適な場所を醸しだした。平成8年には通所生も16名に増員し、週5日制で順調な作業所として運用できるようになった。ところが平成9年、台風19号の来襲により河川敷の農業施設の全部が流出してしまった。
途方に暮れている時、通所生の6年間の勤勉さが認められ、大貫町(現在の施設場所)の地域住民が、宅地と農地の世話をしてくれたと同時に、地域住民として受け入れてくれた。特に、精神障がい者は往々にして地域社会から敬遠されがちだが、通所生のまじめに懸命に生きている姿は、地域の方の心を惹き、作業所に立ち寄る方が増えていった。
平成10年からは地域の婦人会の応援で、作業所内で「小さな星のコンサート」が開催され、例年県北の延岡市精神福祉連絡協議会の恒例の行事へと発展していった。
平成18年6月に、特定非営利活動法人(地域活動支援センターⅢ型)となる。発足以来20年が経ち、家族会の先輩達が苦労して築かれた礎を大切に、より活動を拡大していきたい。
延岡市には九州保健福祉大学があり心強く活動が出来る。例えば通所生の大学生への体験談講義、大学生(社会福祉学部、保健科学部)の体験学習、ピアサポーターの大学での養成講座等を実施している。少しでもコミュニケーションのとり方が向上していくことを願っている。
更に大事なことは、通所生の生活支援・就労支援の中でも、働く喜びの一つに働きの代価がある。当作業所の主収益事業は農作業である。特にハウス栽培での収穫野菜はJAで委託販売をしている。ハウス栽培での野菜の収穫は土壌管理が極めて難しく、種を蒔いても発芽しない事もあった。そのために、地域活動支援センター農業指導員養成として、宮崎県立農業大学に入寮学習させ、指導員の専門家を育成している。
その他加工品製造販売やリサイクル品回収等々行っている。
今後とも、癒やしの場作りはもとより、少しでも報酬を上げてやりたいと思っている。これらの活動は市の障がい福祉課を始めとして、保健所、社会福祉協議会、ボランティア協会、大学等のご協力とご支援そして地域住民の皆さんのご理解があってのことである。
地域コミュニティ、特に大貫町の皆さんと家族会の先輩の業績を、今回の受賞を機に更に充実した活動に定着させたいと思っている。
生活環境の整備は高齢者はもとより障がい者の視点に立った改善が、最も大切ではないか。障がい者に住みやすい社会は、必然的に皆にとっても住みやすい社会だと思う。
NPO Nobeoka Joshokai
Japanese Federation of Mental Health and Welfare