社会貢献の功績
新垣 光子
昭和 60 年、息子の中学校入学(那覇市立真和志中学校)を機に、同校 PTA生徒指導部(現在の健全育成部)に所属した。 活動を通して非行、 不登校、ひきこもり等の問題を抱えた子供達が多い事に気付き、彼らと関わるようになった。
その頃から定期的に行われる街頭指導(月 2 回の校区内街頭指導、毎月第 3 土曜日の少年を守る日の街頭指導)の他に、一人で夜間パトロールをするようになり、公園やコンビニエンスストアの店先で彼らの悩みを聞くようになった。彼らには安らぐはずの家庭が、苦しく嫌な場所となっており、“居場所”がないことを知った。そんな彼らと同じ目線で話をすることを心掛け、それぞれがどのような問題を抱えているのかを十分に理解し、保護者や学校、または専門のカウンセラーを交じえて、解決策を見出してきた。
しかし、自宅に泊めて面倒をみていた子供達の中には、夜中に窓から逃げだし警察のお世話になったり、自宅から金品を盗まれたりと裏切られることも多々あった。それでも自分は大人として、地域住民の一員として彼らを立派に育成する義務がある、という信念で、今日まで活動してきた。
現在は、同校の評議員として保護者や地域住民と一体となり、健全育成に取り組んでいる。我が子でなくても彼らが自立するまで見守っていこうと思う。
また主人と経営する会社で現在3人の少年が働いている。彼らはいわゆる“中卒”“高校中退”と、決して立派な学歴とは言えないが、仕事で必要な資格を取り、家庭を持ち、しっかり守り、胸を張って生きている。こうして立派に自立していく彼らを見ると私自身の励みにもなり、“居場所”を失くした子供達一人でも多くに手を差しのべていこうと使命感に駆られる。
これまで活動できたのも、家族、学校の先生方、保護者、地域住民の皆様の協力があったからこそである。子供の教育は、親、学校、地域社会が一体となって取り組んでいくものである。これからも昼夜問わず、積極的に子供達に声をかけ、皆様の協力を元に、子供達の健全育成に尽力していきたいと思っている。
受賞の言葉
この度はこの様な栄えある賞を頂き、身に余る光栄と存じ、感謝の念で一杯です。
長年にわたりいろいろな子供達に出会い、彼らと真剣に向き合ってきました。その間、地域住民の皆様や各学校の先生方、そして快く子供達を受け入れてくれた主人や家族の協力があったからこその受賞だと思っています。
今回、療養中のため式典に出席することができませんでしたが、この受賞を励みに回復後も活動を続け子供達と向き合っていきたいと思います。ここにあらためて、財団関係者の皆様、推薦していただいた新里様、多くの支援者、家族に感謝申し上げます。